黒いパーカーを着た男性に「久しぶり」と声をかけられる
事件が起きたとされる日に周辺では、黒っぽい服で懐中電灯を持った不審な男女がいたとの目撃情報も出ている。辰島さんが働いていたアルバイト先と同じエリアで働く20代女性のA子さんは5月の中旬に見知らぬ男性に声をかけられたという。
「私は居酒屋で働いていて、23時に閉店して締め作業をしているとお店を出るのは0時過ぎになります。実家が近いので歩いて帰るのですが、事件のあったビルから少し進むとローソンがあるんですけど、そこで急に声をかけられました」
黒いパーカーを着た男性に「久しぶり」と声をかけられ、知り合いかと思ったA子さんは足を止めたという。
「20代後半ぐらいの男性に『会ったことあるよね?』と言われたんですけど、全然記憶になくて。呼ばれた名前も全然違ったので怪しいと思って歩き始めたら、『ねえねえ』と肩を叩かれました。怖くなって母親に電話しながら走ったら、いつの間にかその人は消えていて……。その2週間後くらいに例の事件が起きて、本当に怖くて近寄れなくなりました」(A子さん)
死亡した30代男性が勤めていた会社に問い合わせると…
その後、A子さんは母親に送り迎えしてもらわなければ職場に通えないほどになった。しかも事件の報道を受け、犯人が捕まっていないこともあり今は休職を余儀なくされている。A子さんが震える声で言う。
「あんな場所で声をかけられたのも初めてですし、もしかしたら事件に巻き込まれていた可能性があると考えると外出することができません」
いわくつきのビルで起きた謎の事件は、周囲の人々を震え上がらせている。辰島さんと事件のことを知っている可能性のある、死亡した30代男性従業員が勤めていた会社に問い合わせたが、「事件については何も言えません」と答えるのみだった。
辰島さんは派遣社員としてコールセンターで働くかたわら、飲食店でアルバイトまでして働いていた。ネイリストやエステ業に就きたいという自身の“将来”に向け、奮闘している最中に、命を散らしてしまった。警察は死亡した30代男性と事件の関連について捜査を進めている。
顔見知りによる犯行なのか、はたまた関連のない女性を巻き込んだ事件なのか。“不可解”な点が残る事件の真相解明が待たれる。
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