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『キャーー』という甲高く叫ぶような声が

 捜査関係者によると死亡した男性と辰島さんがビルの中に入っていく様子が防犯カメラに映っていたというが、その後、男性1人だけが出てきたという。近隣住民は28日の午前2時、「女性の叫び声が聞こえた気がする」と話す。

「普段から会社の行き帰りにこのビルの前を自転車で通るんですが、事件があったのは土曜日から日曜日に変わった時で、その日は休みだったので近くで深酒をしていました。遅くなってしまったなと急ぎ足で帰宅していると『キャーー』という甲高く叫ぶような声が聞こえてきました。てっきり私と同じように酔っ払った人が奇声をあげているもんだとばかり……。翌日にはビルにブルーシートが被されていて、警察もいたので、昨夜の叫び声と何か関係あるのかなと思っていました」

 現場周辺で生まれ育ったこの近隣住民は、事件の舞台となったビルの7階に以前入居していたカラオケ店に通ったことがあるという。

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夜も深まると、人気はすっかりなくなる

「ビルのある場所は、特別な理由がなければ住民以外寄り付かない」

「私は40代後半なんですが、高校生の時は7階にはカラオケ店がありましたね。その時からこのビルは異様な雰囲気を醸し出していて『オバケが出る』なんて言われていました。実際に歌っていたら画面がザーッと鳴って、切れて真っ暗になることもありましたから。

 日中の人通りは結構あるんですけど、夜12時を越えるとアーケードの電気が全て消えて街灯のみで薄暗くなる。特にビルのある場所は、ちょうど栄えている区域と区域の狭間のさみしい場所なんです。カラオケ店があった頃は近くに居酒屋も多くて明るかったけど、最近どんどん潰れていってね。特別な理由がなければ、住民以外寄り付きませんよ」

 現場となったビル前には多くの花や飲み物が供えられ、午後11時を過ぎても通行人が立ち止まり手を合わせる姿が多くみられた。しかし、近隣住民は供えられた“酒”を何者かが盗っていく姿をみたと話し「本当にここら辺は治安が悪くなってしまった」と嘆いた。