49歳でモデルデビュー、さらに1年も経たないうちにパリのランウェイを歩く夢も叶えた和見龍弥(50歳)さん。それまでモデル経験がまったくなかった彼が抜擢された理由とは? そして長年コンプレックスだった「ハゲ」を弱点から武器に変えられた理由とは? インタビュー後編をお届けする。(全2回の2回目/最初から読む)
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49歳での大抜擢! モデルとしてパリへ
──事務所に所属して1年弱で、パリのファッションショー出演を果たすんですよね。そこまではどんな道のりがあったんですか?
和見 僕は関西在住なんで、関西で男性のファッションモデルの仕事はほとんどなかったんです。それで、ドラマのエキストラの仕事をしたりして、『ブギウギ』(NHK総合)にも出たんです。ただ、僕は背が高すぎて、テレビの尺に合わないらしくて。活躍の場が少なくて、結局その事務所はやめてしまったんです。
そんなある日、たまたま家族で高野山に行ったんですが、紹介してもらった尼僧さんが、モデル事務所の社長を兼業していたんですよ。
──すごい偶然ですね……!
和見 それがきっかけで、2024年1月にそのモデル事務所にお世話になることになりました。ただ、とはいえ仕事は少なくて、自分で探すしかない。それで改めて「僕は何したいんやろ」って考えたら、僕は広告に出たりするよりもランウェイを歩きたいんだって気づいたんです。
──なぜランウェイだったんですか?
和見 昔『ファッション通信』(テレビ東京系)って番組で、海外のコレクションを放送していたんです。そのイメージが強くて「ファッションモデルって、ああいうところ歩くんやろな」って勝手に思ってたんですよ。僕、昔からヨウジヤマモトが大好きで。ヨウジヤマモトのショーを歩けたらかっこええな、歩きたいなって思うようになって。それで2月に「パリに行く」「ランウェイを歩く」って目標を決めて、それを自分で紙に書いたんです。チャンスは待っていても絶対来ないので、ネットで情報を色々探してみたんです。
そしたら、デザイナーのけみ芥見さんが主宰する「ASTJ」というオーディションを見つけて。海外で活躍するモデルを後押しするのが目的で、合格するとパリやニューヨークのショーでランウェイを歩けるんです。対象年齢は49歳までで僕にとっては最後のチャンス。しかもそれを見つけたのが3月26日だったんですが、1次オーディションの日は3月30日だったんです。でも、急いで送ったら書類審査に通ったんです。
──なんと……!