20万人超の登録者数を誇るYouTubeチャンネル「ワルビッシュTV」の運営や、大阪府・西成での炊き出しなど、活動の幅を広げているダルビッシュ翔氏。かつて暴力事件や野球賭博での逮捕で世間を騒がせた彼は、自らの“悪名”を背負いながら、どのように自身の過去と向き合っているのだろうか。そして現在、精力的にボランティア活動などを行う理由とは――。
ここでは、ダルビッシュ翔氏が自身の人生を赤裸々に綴った初の自伝本『悪名』(彩図社)より一部を抜粋して紹介する。(全4回の3回目/4回目に続く)
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野球賭博
2015年10月、僕はダルビッシュ家に激震を走らせる事件を起こした。これまで何度も逮捕されてきたが、今までの事件とはわけが違っていた。
ダルビッシュ投手弟、野球賭博の疑い レンジャーズ戦でも
プロ野球や米大リーグを対象に賭博をしたとして、大阪府警は27日、大リーグ・レンジャーズのダルビッシュ有投手の弟で人材派遣業のダルビッシュ翔容疑者(26)=大阪府藤井寺市=ら8人を賭博開帳図利などの疑いで逮捕したと発表した。
ほかに逮捕されたのは大阪市生野区の無職、谷川尚哉(29)と石川県白山市の鉄筋工、田中凌(23)の両容疑者ら20~32歳の男女。府警は翔、谷川、田中各容疑者の3人が賭博を仕切る胴元役だったとみている。いずれも認否を明らかにしていない。
捜査4課によると翔容疑者は田中容疑者と共謀し、5月12~18日のレンジャーズの1試合を含む米大リーグとプロ野球の公式戦計44試合を対象に、客16人から1口1万円で計1854口の申し込みを受けて賭博を開いたほか、谷川容疑者が開いた34試合の賭博に客として参加した疑いがある。8人は地元の知人関係。
(「朝日新聞」2015年10月28日)
僕は野球賭博の疑いで逮捕された。
正直、逮捕されるレベルの悪いことをしていたという自覚はなかった。極端に言えば、「じゃんけんで負けたヤツがジュース奢り」といった遊びの延長くらいにしか考えていなかったのだ。厳密には違法だが、まあ捕まることはないだろうというくらいの認識だった。