「今、そこに誰かいた…」。3年間、寝ている間に「謎の足音」や「人の気配」におびえていた22歳女性。この謎の怪奇現象はなぜ起きたのか? 驚くべき犯人の正体とは? ノンフィクションライターの諸岡宏樹氏の著書『実録 性犯罪ファイル 猟奇事件編』(鉄人社)より一部抜粋してお届けする。なおプライバシー保護の観点から本稿の登場人物はすべて仮名である。(全2回の1回目/続きを読む)

写真はイメージ ©getty

◆◆◆

22歳女性を襲った「謎の霊現象」

 実家暮らしの女子大生の真田祐奈さん(当時22)は3年前から身の回りで起きる“霊現象”に悩んでいた。1人で部屋にいると誰かに見られている気配がする。夜寝ていると誰もいないはずの廊下から足音が聞こえる。朝起きてみると閉めたはずの網戸が開いている…。

ADVERTISEMENT

 また、金縛りに遭ったこともあった。体が硬直し、身動き一つ取れずにいると、誰かが部屋を歩き回っているような気がする。祐奈さんはこれらのことを黙っていたが、ある日、風呂に入っていたとき、カギが閉まっていたはずの窓が開けられ、そこから人の手が伸びてきたことから「キャーッ!」と絶叫した。

「何だ、何だ?」

「今、そこに誰かいた…」

 父親らが外に様子を見に行ったが、誰もいない。

「気のせいじゃないか?」

「前から言おうと思ってたんだけど、変な物音が聞こえたり、人の気配がするので怖いのよ…」

 それが思い違いではなかったことが半年後に判明する。祐奈さんが寝ていたところ、部屋の中に誰かがいる気がした。ふと目を開けると、いつもつけたままにしている電気スタンドが消えている。そして、何者かに腕を触られた。

「キャーッ!」

 大声で叫ぶと、部屋の引き戸を開けて出て行った。急いで父親を呼び家の中をくまなく調べると、浴室の窓ガラスが割られカギが全開になっていたことが分かった。

「間違いない。ここから入ったんだ。これは人間の仕業だ。警察を呼ぼう!」