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「かかと着地」と「大股歩き」は絶対NG…通勤するだけでヘトヘトになる人の"誤解だらけの歩き方"

source : 提携メディア

genre : ライフ, ヘルス

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ランニングのフォームについて「かかとから足裏を地面に接地させて、そのあと母指球に重心を移動させ足を浮かせる」という指導をされることがあるそうです。ですが、私は勧めません。

メキシコ北西部にタラウマラ族という先住民族がいることをご存じでしょうか。全米でベストセラーとなった『BORN TO RUN 走るために生まれた』という一冊で、一躍世界的に有名となったことでも知られています。

別名“走る民族”と称されるタラウマラ族の走り方を見てみると、着地はかかとからではなく、つま先からです。このことからも、地面から受ける衝撃をいかに分散できるかが、体への負担を最小限にし、長く走れるようになるためのポイントであることがわかります。

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私の治療院に通っていた久保竜彦さん(元サッカー日本代表)は、つま先部分から着地する歩き方・走り方に変えたところ、慢性化していた腰やヒザの痛みが改善。一度は引退を決めるまで追い込まれていたものの、そこから6年も現役生活が延びました。

あなたが健康のためにランニングをはじめても、かかとから着地する走り方をしていると、そのうちケガをしたり体を壊したりする原因となるので注意が必要です。

体の正しい使い方を覚えない限り一生疲れ続ける

私が動作解析の研究をしていて改めて思うのは、理にかなった体の使い方をしている人ほど疲れにくく、誤った体の使い方のクセがついてしまっている人ほど、疲れやすく体を壊しやすいということです。

そして残念ながら多くの人が、体を正しく使えていません。体の使い方を間違えると、筋肉が硬くなり続けて、可動域が失われます。その結果、一歩踏み出すたびに衝撃をもろに受けたり、立ち上がるたびに腰痛のリスクにおびえたり、走るたびにヒザを壊す危険が増します。

詳しくは拙著『10秒でほぐす』に譲りますが、歩き方だけでなく、立ち方、座り方、寝方など、あなたが普段当たり前のようにとっている姿勢や動作にも、理にかなった体の使い方があります。それを知り、改善していかない限り、マッサージに行っても帰る頃には体はガチガチの状態に元通り。疲れは一生とれず、溜まり続けてしまうでしょう。