みなさん、こんにちは。東京ヤクルトスワローズ広報部の三輪正義です。
今回の原稿をどうしようかと、デスクで思案していると僕の携帯にLINEが入りました。相手はなんとグッチ。僕のプロ野球界で唯一無二の親友・坂口智隆からのメッセージでした。
「さっき、マーシー(僕)の本職である、文春野球から取材を受けました」。
「いや、僕の本職はヤクルトの広報ですから」と返事をした数日後、その記事が出ていました。読むとスワローズファンの皆さんや僕の気持ちを汲んで寄り添った、グッチらしい熱い原稿……。
坂口智隆の原稿に嫉妬……
しかもアップ直後の午前11時から、ぐんぐん伸びるHIT数。その数に嬉しいやら、悔しいやら、複雑な気持ちになりました。僕から言わせれば“ぽっと出の新人”が長谷川晶一さんのお力を借りたとはいえ、今シーズンのチーム最多HIT数を記録したというから、心中穏やかとはいきません。
翻ってみると、文春野球の原稿を書き始めてから、僕もことあるごとに坂口智隆を題材にしてきました。昨年の引退試合のときも、個人的にインタビューして、たっぷりと彼の魅力を書き、あるときは5000に迫るHITを稼がせてもらったのは偽らざる事実です。
「ギャラもらってないけど……」と事あるごとに言ってくる彼ですが、「今度『つば九郎テレビショッピング』に出してよ」とまさかの逆オファーを受けましたので、つば九郎グッズを好きなだけ持ち帰ってもらう、ということで手を打とうと思っています。
「ここぞの一本」が出ず、交流戦でも状態が上がらなかった
さて、坂口もその記事で触れていましたが、チームは苦しい状態が続いています。得意としていた日本生命セ・パ交流戦も7勝11敗の11位と沈んでしまいました。リーグの順位も首位と13.5ゲーム差の5位(6月23日現在)。
負け試合をみると僅差での敗戦が多く、「ここぞの一本」が出ずに逃げ切られてしまうということが多かったような気がします。
でも、ここぞの一本ってなかなか難しい。相手投手も点をやるまいと、ギアを上げて投げてきます。そう簡単にはヒットは出ません。犠打や進塁打、足などを絡めた攻撃でコツコツと点を取っていくことも勝つためには大事な要素。そうするためには日々の反復練習が重要となってきます。
走塁の反復練習が次の1点を生む
スワローズは神宮でのホームゲーム時は、大学野球との併用などもあり、どうしても室内練習場での練習が多くなります。本来なら球場でのバッティング練習のときにやるべきことなのですが、僕は現役時代、室内でバッティング練習をする選手の後ろで、走塁のスタートのタイミングを測る練習をしていました。
これは例えば、1アウトランナー2塁、自分が走者のとき、味方の打者がどういった投球で、どういった打球を打つ可能性が高いかを測るためでした。その打球の強さ、方向で1本でホームに帰れるのか、自重するのかを自らの体に叩き込むためです。
打者がアウトになっても走塁の力で1点をもぎとる。そうした意識が確実に勝利に近づく。走者が一つでもホームベースに近づくためには何ができるか、それをひたすら考える日々でした。スワローズは、そんな意識付けができているチームです。リーグ戦再開後はひとつ先の塁を狙うプレーを見せてくれることを期待してやみません。