「7連勝して1つ負けて9連勝。16勝1敗って横綱レベルです」。前回、こちらのコーナーに書きました。すみません、おごりたかぶっていました。反省しています。
その後、阪神は打線のつながりが悪くなり、めっきり減っていたはずの0点負けがちょいちょい出てきました。あたりまえだと思っていた「下位打線でチャンスを作って近本で得点」というパターンも、「近本・中野でチャンスを作って、大山ら中軸で返す」というパターンもあまり出ていません。
それでも先発投手たちが頑張って試合を作り、中継ぎもがんばって、多くの試合で勝てそうな雰囲気を作っていました。ところが、後半で競り負ける試合がありました。とくに最終回に逆転される試合が3つ、短期間に続いたのは苦しかった。それはそうです、貯金が3つ増えるはずが、3つ減るのですから。結局交流戦は10勝7敗ではなく、7勝10敗1分に終わりました。
ただ、湯浅が悪い、岩崎が悪いという単純な話ではないと思います。いずれも追加点が取れそうで取れなかったり、試合中盤で追い上げられる痛い失点があったりと、じわじわと苦しくなる展開でしたから。
今だからこそ精一杯「明るい未来」を妄想してみる
言葉ひとつでどうということではありませんが、「普通にやる」と言っていた岡田監督の言動に変化があったのは気になったところです。「いやいや、5割はあかん」「セ・リーグが勝ち越すんじゃないかな」というコメントは、相手にすれば「なにくそ」と思う部分もあったでしょうし、何より油断のように感じました。
私は浮かれポンチになってしまった分、交流戦で負け越しと、交流戦で勢いに乗ったベイスターズやジャイアンツに追い上げられて、「あわあわ、どうしようどうしよう」と焦りを感じてしまいます。でも、そんな今だからこそ、明るい未来を想像してみることにします。
そもそも、これは物語、壮大なドラマなのです。ドラマのシナリオなら、まずは登場人物たちの魅力を描いていきます。仲間たちと一緒に活躍する姿をダダーンとたたみかけて話を盛り上げます。その後、ちょっと悪役がうまくいっていたところを引っかき回したりするわけです。さらにはボスキャラみたいなのが出てきて、つぎつぎと仲間たちが蹴散らされていきます。ああダメだ、あわあわ、どうしようとハラハラさせておいてからの、予想外な展開でドカンガシャン、そしてハッピーエンドへと、まあそうなるわけですよ。
クライマックスシーンであの人が登場する
となると、物語の中盤はもう少し小競り合いが過熱しないといけません。ベイスターズやジャイアンツにイライラさせられるのでしょう。いったんは前をいかれるかもしれません。まあそういうものです。ドラマというのは。
でもちゃんと出てくるんですよ。えっ? お前が? みたいなキャラクターが。そうですね、前川と森下でしょうね。「先輩、しっかりしてください! 先輩たちがそんなことでどうするんですか」と、大山や佐藤輝に食ってかかります。小幡も来ますね。クールな笑みを浮かべながら「そんなんじゃ、オレが獲りますよ、ショート」と木浪に言い放ちます。
ミエちゃんと糸原の友情を描く「ちょっといい話」がはさまります。ドラマだと誰かがケガをしてしまったり、交通事故で瀕死の重傷になったりするのでしょうが、それはなくていいです。
クライマックスシーンでは主役たちが輝きを取り戻しますよ。「俺たちはこんなもんじゃねえ!」と叫びながら、近本と大山が打ちまくります。中野が走りまくって、ゲッツーを取りまくります。佐藤輝が特大のホームランをかっ飛ばします。
そして、出てくるんです、青柳が。圧倒的なピッチングで獅子奮迅の活躍。その姿にみんなが「やっぱり俺たちのエースだ!」と涙します。
もちろん最後の最後、マウンドの上にいるのは湯浅です。大きなガッツポーズで「これが本当のオレなんだああ!」と叫びます。そして、にっこりと微笑む岩崎と抱き合うのでした。
信じる。励ます。そんなことしかできないけれど
ああ、なんか元気出てきました(笑)。もっといろいろ妄想できますが、きりがないのでこのへんにしておきます。
あわあわしてしまう日々ですが、私たちファンにできるのは、選手たちが活躍してくれるのを信じて励ますことくらい。でも、その力はきっと小さくない。
あくまでもやるのはチームの選手たちであり、それを支えるスタッフのみなさんです。でも、ファンの意識が作り出す空気に、なんらかの影響は受けているはずです。こんなに貯金があったのにひっくり返されたらどうしよう、もしもああなったら、こうなったら……そんな空気が、選手たちの重圧にならないとも限りません。
あなたたちならきっとできる。だから、明るい未来を信じている。そうやって励ますことで、選手たちが伸び伸びとプレーできるようになるかもしれません。阪神ファンのパワーがあれば、きっとできるような気がします。
今回もくだらないヨタ話に最後までおつきあいいただき、ありがとうございました。妄想しながら、ちょっぴり泣いてしまったのは秘密です(笑)。もし、ご賛同いただけるようなら、HITボタンのポチをお願いします(配信先でお読みの方は、文春オンラインのオリジナルページで応援していただけると嬉しいです)。
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