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「チームマエケン」の初期メンとして、大好きな前田健太さんと大瀬良大地に伝えたいこと

文春野球コラム ペナントレース2023

2023/07/01
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「何回怪我をしても、そのたびにパワーアップして帰るぞ」

 大地は今年で32歳。野球選手としてはこれから脂の乗った時期に入っていきます。昔は30歳をすぎるとパフォーマンスが落ちると言われていました。たしかに身体が思い通りに動かなくなり、思った以上に負荷がかかります。疲労の回復も遅くなり、メンタル的な部分にも影響し、いつものパフォーマンスを出せなくなる選手もいます。

 でも、大地なら大丈夫です。なぜならウエイトも走り込みも半端じゃない量をこなしているからです。大地と自主トレを共にした選手はみんなその練習量に驚いています。いずれ身体が思ったように動かなくなった時が来ても、やれるときに貯蓄を作っておけば、必ず無駄にはならないと信じて取り組んでいるのでしょう。そして、練習量をこなすことによって心の強さも得ていると大地を見ていて思います。たださすがに走りすぎな気がしたこともありましたが……(笑)。30代、心技体がさらに進化してパワーアップした姿になると僕は確信しています。

 今季は春季キャンプから好調をキープし、開幕戦でも素晴らしいストレートを投げていました。一時は故障離脱もあり、成績を見れば3勝5敗と貯金は作れてないですが、防御率も3.02と悪くないですし、クオリティ・スタートも登板数に対して70%と役割は果たしています。大地は納得いっていないと思いますが、ここからのシーズンの大事な局面で、必ず大地がチームを支えていくことでしょう。

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 あのCSを逃した日から8年が経ちましたが、大地がマウンドに立っている姿を見ると、心なしか風格は勿論、風貌もマエケンさんに似てきているなと思います。エースとしてチームを優勝に導いてくれるはずです。

 現役時代に大地とはいろんな話をして、多くの時間を過ごしました。お互いに怪我をして、気持ちも乗らない中でドライブに行ったこともあります。僕が肩、たしか大地が肘を痛めていて、大地はプロに入って初めて怪我でリハビリ組。僕と違って主力の選手。投げられない中で不安もあったと思います。今思えば偉そうだったと思いますが、「何回怪我をしても、そのたびにパワーアップして帰るぞ」と大地に言ったことを思い出します。

 そして、ここで一つ、自分が大量失点をして二軍行きが決まり、大地から送られてきたメッセージを僕から大地に送り返したいと思います! 僕はこの言葉に救われました。

『No Rain,No Rainbow』

 つらい事の後にはきっと良い事がある。

 苦しい時期が来たとしても、何回も立ち上がって広島にまた歓喜を湧き起こしてほしいです! 大地、応援してるよ! あと、マエケンさん、日本に帰ってくる時は是非、広島に戻ってきてください!

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