理事長らが危険な“火おこし”の準備を終えると、生徒や教職員らが会場に集まり、いよいよイベントが始まった。
事故を招いたのは「職員の安全ミス」と報告しているが…
「『理事長先生、ありがとうございます』と、生徒に挨拶させてからバーベキューを始めるのがハリビのルール。理事長が何週間も前から仕込んでいた自家製のタレもいつものように振る舞われました。アルコールでビシャビシャなんてまともじゃない火おこしだから当然なんですが、火の弱いバーベキューコンロが数台ありました。理事長が火の勢いを強めようと、各コンロにアルコールを注いで回る中、手伝いをしていた20代の男性教員がアルコールを注いだコンロから大きな火が噴き出てしまったんです」(同前)
学校は保護者宛のメールで事故を招いたのは「職員の安全ミス」と報告している。だが、理事長自ら旗振り役になり“着火剤ビシャビシャ”なる珍妙な火おこし方法を取り入れていたことにはいまだ言及していない。
バーベキュー開始の前に危険の兆候はすでに芽吹いていた。疑問符だらけの下準備は事実なのか。ハリウッドワールド美容専門学校に取材を申し込んだところ、学園長の古賀郁(ふみ)氏が電話で対応した。
“ビシャビシャ”なんてありえない!
――バーベキューの火起こしにアルコールを用いることは事前に決まっていたことなのでしょうか。
「そうです。その代わり、理事長だけが着火作業を行うことにしていました。これまでは生徒にも手伝ってもらっていましたが、今回はアルコールを使用するので、生徒の力を借りず、理事長自身が各コンロに着火して回りました」
――着火作業は理事長の他に、副理事長と女性副校長も携わったと聞いていますが。
「いえ、着火を行ったのは理事長だけです」
――そこで着火剤や炭をアルコールで“ビシャビシャ”になさった?
「アルコールはあくまで着火目的です。ですので、様子を見ながら少量ずつです。ビシャビシャなんてありえない」
――イベントに先立つ職員のミーティングで、理事長が自ら“ビシャビシャ”を実演なさったそうですが。
「実演はありました。ですが、ビシャビシャになるほどアルコールを撒いて、それがこぼれて机や床がアルコールまみれになったということはありません」
――アルコールは理事長だけが使用するはずだったのに、事故を起こしてしまった男性教員は許可もとらず勝手にアルコールを吹きかけてしまったということですか。
「捜査中のことでもありお答えはできません」
――着火時だけでなく、バーベキューが始まってからも理事長がコンロを巡回してアルコールを投入していたのを目撃している参加者がいます。
「あくまで着火のみです。そこはお間違いのないようお願いします。他のメディアの報道で、アルコール投入は理事長の指示だったとありましたが、防犯カメラを確認すると、事故時点で理事長は事故のあったコンロに背を向けていたし、指示している様子もありません」
――問題のアルコールは「無水エタノール」だったんですか?
「我々はその原液を水で薄めて、コロナ対策の消毒液として使っていました。スプレーできる容器に移し替えて、各教室に置いていました。それを更に薄めたものをコンロの着火に用いました」
火おこしにアルコールを使ったことは、常識外れの誹りを免れない。ハリビの危機管理の甘さが問われている。
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