6月15日、群馬県のエリアニュースサイト「高崎前橋経済新聞」が、県内にある高級食パンチェーン「乃が美」の店舗が一斉に閉店したことを報じた。
乃が美を巡っては、「週刊文春」がこれまで複数回にわたりフランチャイズチェーン店オーナーと本部の間で起こったトラブルを報じてきた。
一体、何が起きているのか。乃が美の“内紛”を報じた「週刊文春」の記事を再公開する。(初出:週刊文春 2023年6月8日号 肩書きは公開時のまま)。
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「高級『生』食パン」店をチェーン展開する「乃が美」が危機を迎えている。
「100に上るフランチャイズチェーン(FC)店舗が閉店に追い込まれる可能性が高い」(乃が美関係者)
2013年設立の乃が美は“高級食パンブーム”の火付け役。「1日5万本売るパン屋」として多くのメディアで話題に。最盛期には全国で200超の店舗を運営し、行列ができた。
だが、ブームに翳りが見え始めた頃にコロナ禍に突入。業績が下降する中で顕在化したのがFC店舗のオーナーと本部の対立だった。
「店舗の大半はFCで直営店は少ない。店舗の売上が激減して赤字に陥る中、オーナーたちは〈売上の10%〉というロイヤリティの引き下げを求めてきましたが、本部はほとんど応じてこなかった」(同前)
今年1月には複数のオーナーが連名で「要望書」を内容証明で本部に送付した。すると、本部はFC6社に対して契約解除を通告する形で対抗。“泥沼内紛劇”が繰り広げられていた。
そんな中、本部はさらなる強硬手段に打って出た。現役オーナーが明かす。
「5月12日付で『1週間以内に遅滞したロイヤリティを支払わなければFCの契約解除も辞さない』という通知が届きました。受け取ったのは10社です」