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多くの人の心の中にもいる「坂田さん」

 そんな読者の共感を集めそうなキャラクターも登場する。リコと一緒に友子をハブってしまうママ友仲間の「坂田さん」だ。

「彼女はたぶん、グループを構成する人の中で、一番多いタイプではないかと思います。彼女が友子をハブった理由は『自分がハブられるのが怖かったから』。特に大きな理由があったわけではありません。自分がハブられるのが怖い坂田さんは、友子がハブられる流れになって心の底から『よかった』と思うのです。この『坂田さん』は多くの人の心の中にもいるのではないでしょうか」(同前)

右が「坂田さん」 『ママ友にハブられて ぼっち主婦になりました』より  (C)三谷美佐子(秋田書店)

 リコと友子だけではなく、二人の緊張関係を遠巻きに見つめる、あるいは巻き込まれてしまう周囲の人々の反応にも注目したい。自分だったらリコに対して毅然とした態度がとれるだろうか。友子を信じることができるのか。そう考えると「坂田さん」をすごく身近に感じられるかもしれない。

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「このお話は、一度は地に落ちた主人公が『敵と戦う決意』をして、味方を得ながら這い上がっていくお話です。登場人物は特別な性格ではなく、どこにでもいる『ママ』たちです。ぜひ『自分ではないけれど自分の隣にある話』として疑似体験してみてください」(同前)