5月31日、永田町の自民党本部に乗り込んできたのは、上下黒のシックな服装に身を包んだ1人の女性。亡き安倍晋三元首相の妻・昭恵氏(60)だった。

7月8日には増上寺で一周忌を行う予定

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「ここは私の土地だから」と昭恵氏

 政治部記者が話す。

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「次期衆院選で小選挙区が1減となる山口県では、公認調整が難航しています。最大の焦点は新3区(下関市など)。安倍氏の後継者として4月の補選で4区から当選を果たした吉田真次氏(安倍派)と、現在の3区が地盤の林芳正外相(岸田派)が争っています」

 そんな中、昭恵氏は吉田氏や、安倍派会長代理の下村博文元文科相らとともに党本部を訪問。茂木敏充幹事長への直談判に臨んだのだ。下村氏が明かす。

4月の補選では吉田氏(中央)が当選

「昭恵夫人は『吉田さんの後援会長に就任することになりました。是非とも選挙区の引き継ぎを宜しくお願いします』とおっしゃっていた。安倍さんの選挙区をしっかり引き継ぎたいという決意を感じました」

 実際、昭恵氏は知人に、

「林さんは宇部。3区ではなく、1区に行けばいいのに。ここは私の土地だから」

 と洩らしているという。

夫と暮らした“14億円豪邸”の所有権の行方は?

「林氏の母親は地元の有力企業『宇部興産』の創業者一族で、宇部市は林氏にとって重要な票田の1つ。その宇部市は次期衆院選では新1区となる。新1区は高村正彦前副総裁の長男・正大氏(麻生派)が狙っていますが、昭恵氏はそこに林氏を追い出そうとしているのです」(安倍派関係者)

“バンドマン外相”として知られる林氏

 そして、昭恵氏が口にした「私の土地だから」という言葉――。

 実は「週刊文春」年末合併号で報じたように、昭恵氏には夫と長年暮らした渋谷区富ヶ谷の“14億円豪邸”を相続する権利がない。土地や建物の所有権は、安倍氏の母・洋子氏や兄・寛信氏にあるからだ。さらに今年4月7日には、昭恵氏が生活する2階と3階の部屋の所有権が「信託」を理由に、洋子氏から寛信氏に移転している。

「洋子氏は94歳。この先、判断能力が低下しても、寛信氏の判断で土地や建物の運用などを行えるようにしたのでしょう」(税理士)