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「どうか神木に受難を!」の願いが届いた…NHK朝ドラ「らんまん」の視聴率が右肩上がりになっているワケ

source : 提携メディア

genre : エンタメ, テレビ・ラジオ

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もうひとり、万太郎が愛してやまないのが竹雄(志尊淳)だ。酒蔵峰屋の番頭の息子で、問題の多い万太郎を幼い頃から「若」と呼んでお供してきた竹馬の友でもある。竹雄も万太郎が好きすぎて、そらもう大変。

生活能力と常識のない万太郎のために、手となり足となる竹雄。給仕として働き、万太郎の寝食すべてを心配し、面倒をみる。姉の綾を慕う恋心を抑え、心身ともに万太郎に捧げている。過去に2度ほど、万太郎との関係を絶つ宣言をしているのだが、結果、離れない・離れたくない・離れられない。ソウルメイトと呼ぶべきか、パートナーと呼ぶべきか。

竹雄が万太郎に絶望を与えたり、裏切るとは今のところ到底考えられないが、どんな形であれ、いずれ別れはやってくるわけで。体の一部をちぎられるような悲しみかもしれないと思うと、心の準備をしておかねば。

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作品のモデル・牧野富太郎の人生はかなり長い。神木が何歳までを演じるのかわからないが、それなりの衝撃や慟哭、苦悩や絶望など、万太郎の心模様に見せ場が欲しいかな。神木隆之介だからこそ託せる心情描写のヤマ場を、ぜひよろしく。

吉田 潮(よしだ・うしお)
ライター
1972年生まれ。千葉県船橋市出身。法政大学法学部政治学科卒業後、編集プロダクション勤務を経て、2001年よりフリーランスに。医療、健康、下ネタ、テレビ、社会全般など幅広く執筆。2010年4月より『週刊新潮』にて「TVふうーん録」の連載開始。2016年9月より東京新聞の放送芸能欄のコラム「風向計」の連載開始。テレビ「週刊フジテレビ批評」「Live News イット!」(ともにフジテレビ)のコメンテーターもたまに務める。
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