コミックを原作とする学園ドラマ『賭ケグルイ』は、2018年にシーズン1が放送されて以来、映画版を含む続編がつくられ、人気シリーズとなっている。そのヒロイン・蛇喰夢子(じゃばみ・ゆめこ)を演じ、当たり役となったのが浜辺美波だ。
「イメージに傷がつきますよ」
しかし、ドラマ化が持ち上がった当初、監督の英勉は、夢子の役に浜辺はどうかと言われて、「え、大丈夫ですか?」と思ったという。何しろ、当時の浜辺には清楚、清純、お嬢様といったイメージがついていたが、それに対し夢子は清楚なお嬢様とはいえ、一旦ギャンブルにはまり込むと、あえてリスクを冒しさえする狂気をはらんだキャラクターだからだ。原作には際どい表現も少なくない。
そのため英は「イメージに傷がつきますよ」と断ったうえ、彼女と会った。このときはさすがに本人も不安そうな顔をして、「どこまでやるんですか?」と訊いてきたという。これに対し英は「どこまででも、です」と答えた。その後、共演する高杉真宙・森川葵・矢本悠馬と読み合わせをしてもらったところ、この3人がとにかく濃かったので、浜辺も覚悟を決めてくれたのではないかと英は述懐している(『日経エンタテインメント!』2021年6月号)。
ただ、彼女に言わせると、出演依頼を受ける以前から原作を読んでおり、《夢子はもっと大人できれいな女性のイメージがあったので》自分が演じるのは想定外だったと認めつつも、《お話をいただいたときから、漫画で見たあの狂気的な表情を再現できるようにしたいな》と思いながら撮影にのぞんだという(『an・an』2018年2月7日号)。