田中氏が町長の座を狙っていると敵視し、嫌がらせ
〈ハラスメント報告〉文書によれば、発端は、田中氏が6月4日、熊取町支部の総会で出した緊急動議だったという。
「田中氏が来年1月に予定される町長選に向け、予備選で候補者を決めるべきという提案を行ったのです。ただ、採決の結果、動議は否決された。すると、3選を目指す藤原氏は田中氏が町長の座を狙っていると敵視し、嫌がらせを始めました。他の町議に命じ、議員控室をパーテーションで区切り、田中氏を孤立させたのです」(支部関係者)
そして急遽開催されたのが、6月11日の支部幹事会だ。藤原氏は進行を妨げられないよう、府議らに「友好関係を崩したくないなら出席を辞退するように」と厳命。自身の後援会メンバーが大半を占める支部幹事に出席者を絞った。
「もう不信感そのものですわ」
「週刊文春」はこの幹事会の音声データを入手。藤原氏は繰り返し田中氏への不満を述べたうえで、会議中盤では次のように語っていた。
「もう不信感そのものですわ。で、一言も、町議会選挙でこんなこと言われました、あんなこと言われました、というのが、一言もないんですよ」
さらに、藤原氏と近い幹事らが田中氏に執拗に離党を迫る様子も記録されている。幹事の一人が「あんた自ら離党するべき」と矛先を向けると、別の幹事も「田中さん、あんた考えが足らんわ。全然反省の色がないですわ」と批判を重ねていた。
田中氏への“つるし上げ”は約2時間に及び、藤原氏は最後にこう語った。
「僕は決(議)をとって、除名という人の話も聞いてます。田中さんにとって、それはごっつ不名誉な話ですよ。だから自ら決断して、ちょっと離れますと」
離党しなければ、除名処分にすることを強く示唆する発言だ。だが、田中氏はこれに応じず、除名決議が取られた。ただ、除名は支部ではなく、党本部が判断するものとされている。藤原氏はその後、大阪維新の横山英幸幹事長に除名を要請したものの、「正当な理由がない。パワハラであり得ない」と却下されたという。
田中氏に尋ねると、次のように回答した。
「(ハラスメントは)事実です。ハラスメントを申告する文書も6月19日付で党本部に提出した」
藤原氏にも事実確認を求めた。