早稲田大学在学中にAV女優としてデビューし、数々の作品に出演してきた神野藍さん(元渡辺まお・23)。昨年6月に引退を発表し、現在は会社員として働きながら、文筆家としての活動もしている。引退してから1年経った今、思うことは何なのかーー。(前後編の後編/前編を読む)
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AVというコンテンツのせいで傷ついた人たちの存在
この1年で自分の立ち位置や完璧に消化しきれていない過去について考えていた。前に進むためにも自分と向き合わなければと思った。
引退してすぐのころは、AV新法の件もあり、色々とコメントを求められることもあった。業界に対して「ここは嫌だった」「これは苦しかった」という気持ちはあるけれど、深い恨みを持っているわけではない。沢山の人にお世話になったし、その業界で仕事をさせてもらえた恩もある。色々なことを加味して「やってよかったな」と思うことの方が多かった。
引退してSNSのアカウントを作り直したときに、事務所管理でなくなったのもあって、自分の興味関心を中心に様々なジャンルの人をフォローするようになった。
そこであることに気が付いた。それは私が関わったAVというコンテンツのせいで、傷ついた人が存在しているということ。もちろん私が直接的に傷つけたわけではないけれど、AVという作品を見て、そこに映るもの全てが男女間におけるコミュニケーションの正解だと勘違いした結果、悲しい出来事を生んでしまっていた。
そう思ったきっかけとなったのは以下のツイートだ。投稿者は男性で、一部省略しているが以下のような内容であった。