5月25日、テレビ朝日系の人気バラエティ番組「アメトーーク!」で異色の企画が放送された。

「その名も『井森美幸大好き芸人』です。『○○大好き芸人』のくくりでは、これまでにおいでやす小田、サンドウィッチマン、中川家などもピックアップされてきましたが、芸人以外の人物は初でしょう。井森さんに対する業界の絶大な信頼感を感じました」(テレビウォッチャー)

井森美幸さん ホリプロインスタグラムより

 番組に登場した井森美幸(54)本人は「誰が見るんだろう」と自虐的に話していたが、出演した南海キャンディーズ・山里亮太や麒麟・川島明ら錚々たるメンバーが実際にあったエピソードを交えて絶賛。バラエティ番組制作会社の社員も賛辞を惜しまない。

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「共演者からの信頼の厚さはもちろん、若い視聴者の認知度や好感度も高い。共演者への気遣いや進行だけでなく、制作側のやりやすさも考えてくれる。まさに“そこにいるだけで助かる”貴重な存在です」

 54歳となった今もなお輝きを増す井森は、群馬県下仁田町出身。1984年の第9回ホリプロタレントスカウトキャラバンで、鈴木保奈美らを含む12万人の中からグランプリを獲得し、『瞳の誓い』で歌手としてデビューを果たした。芸能ライターが当時を振り返る。

1985年のデビューシングル『瞳の誓い』

「岡本太郎さんの頭を叩いたりしても、怒られた話は不思議と聞きません」

「『井森美幸16歳、まだ誰のものでもありません』という強烈なキャッチフレーズで出てきて、スタートダッシュは悪くなかった。ただ、同期が斉藤由貴や本田美奈子、南野陽子、おニャン子クラブという豪華すぎる顔ぶれだったこともあって埋もれてしまい、歌手としては鳴かず飛ばずでした。そんな折、忘年会で世良公則のモノマネを披露したことで『バラエティでいけるんじゃないか』という話になったといいます」

 路線転向が功を奏し、井森は山瀬まみや松本明子とともに“元祖バラドル”の一員に。1988年頃には週に14本のレギュラー番組を抱え、7社のCMに起用される人気ぶりだった。

「当時は自ら“出たとこイモリの怖いものなし”と称していて、岡本太郎さんの頭を叩いたり、はらたいらさんに『クイズで飯食ってるんですか』と聞いたりとぶっ飛んだエピソードには事欠かないのですが、怒られた話は不思議と聞きません。野球観戦と競馬という親父心をくすぐる趣味もウケが良く、競馬番組のMCを務めたこともありました」(同前)