アイドルファンの方の中には野球ファンの方も多い。逆に野球ファンの方はアイドルファンになってくださる方も多い! そう思ったのはHKT48に加入してすぐでした。

 48グループの総合プロデューサーである秋元康先生が「AKB48とは高校野球である」と言った事があるそうです。私もその考え方には野球ファンとしても興味深いものがありました。

 野球とアイドルは似ている!

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 いいえ、全然違う世界だ!

 その両方いらっしゃるかもしれませんし、野球の世界がもっともっと厳しい事も重々承知の上でのお話ですが、私は前回のコラムで「HKT48の研究生時代をホークスで例えると三桁の育成選手」と表現をしました。

 ホークスは今や、4軍制度で“育成選手”の皆さんは常に支配下登録を目指しています。それが48グループに入った時の「まずは“研究生”」として活動をしていく気持ちと似ているなと感じました。

 HKT48はチーム「H」「K4」「T2」と3チームあり、1チーム16人でH K T の3チーム=48人になるのですが、“昇格”をすると、“正規メンバー”つまり“支配下登録”された状態になるのです。

 そして“支配下登録”されてからも新たな競争が待ち構えています。48グループでいえばチーム内の“立ち位置”になるのでしょうか。

 怪我をして劇場公演に出られなくなれば誰かが代わりに出演してくれますが、その状態が続くと、自分のポジションもどんどん奪われるような気持ちになる。自分のポジションを掴むために毎日必死なのは野球もアイドルも同じですし競争と入れ替わりの激しいホークスの中でもきっと色んな葛藤があるのだろうなと誠に勝手ながら共感しています。

 今回のコラムは、そんなアイドル活動の中で「これはもしかしたら野球にも通ずる物があるのかも!」と思った出来事を、私自身のアイドルとしての経験談を交えながら紹介しようと思います。

“応援”はとてつもなく力になる

 最初に“ファン”という存在について。

 ホークス公式応援番組「鷹のミカタ」の企画でホークスファンの方にインタビューをさせていただくようになってホークスファンの皆さんと交流する事も増えました!

 そこでやはり、同じ“好き”を共有できる事って素敵だなって思いました。

 ただ野球が好き、観るのが好き、○○選手が好き、ホークスが好き、野球をするのが好き、ドームの雰囲気が好き。

 なんでも良いと思うんです。その好きという気持ちをお互いにお話して盛り上がれる事がすごく楽しくて毎回インタビューのお仕事はすごく大切にしています。

 また、東京で行われた鷹の祭典2023。

©坂口理子

 私も現地まで取材に行かせていただいたのですが、恒例のファンインタビューをした時に小学生の男の子達が取材に応じてくれました。

「ぎーたのほーむらんがみたいです」

 炎天下の東京ドームでアイスを食べながら開場を待っていた男の子が言いました。

 結果、チームの勝利は収める事ができませんでしたがなんと柳田選手がホームランを打ちました!

 打った瞬間に取材に応じてくれた男の子の顔が思い浮かびました。

 東京ドームで観る憧れの選手のホームラン。その小学生の男の子にとってきっと物凄く忘れられない出来事になっただろうなぁ……。取材をして名前が出た選手の方がその日、活躍をされると「あ、あの周東選手が好きって言ってた方、周東選手の盗塁観れて喜んでるだろうなぁ……!」などと、すごく顔が思い浮かびます! そのような鷹ファンの皆さんの応援の声をこれからも取材でお聞きして、選手の皆さんにも観ていただけたりしたら。その素敵な声援が直接届くのではないかな?と思いました。届けられるように頑張ります!

 アイドル活動をしていた自分に置き換えても“応援”はとてつもなく力になるのです。私自身も常にファンの方の顔が思い浮かんでいました。「こんなお仕事をする事になった!」「やりたかった事ができる!」とわかった瞬間、そんな、嬉しいことを早く報告したい!!と思うのも家族や、ファンの皆さんですし、選抜メンバーに落ちた時、辛くてもその気持ちを共有してみんなでまた頑張っていこう。そう意気込む事でも、ファンの皆さんとの絆が深まりました。

 ファンの方の存在は物凄く大きくて皆さんのおかげで好きな事を追求できているし、その環境で嬉しいことがあったらそれをみて自分も頑張ろうと思ってもらえる。そんな出来事が日々のやる気に繋がっていました。