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『みくる』は結末を考えずに書いたんですが、『悪魔のコーラス』では最初にプロットを全部考えてから書き進めたことが新鮮でした。

 信じること、血の繋がり、傷を負ってそこからまた生きていくにはどうすればいいんだろうとか、そういう人間の生々しい部分を大切にしました。お話を考えるのが好きなので、ラストも全然違うものを3パターン用意していたんです。

合唱にスポットを当てた理由

――登場人物の中で特に思い入れのあるキャラクターは?

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モモコ 透花という女の子を主人公にしたんですが、傷を負った男の子が最初に思い浮かんで、ずっとその子のことばかり考えてました。あと、私、名前を考えるのが好きなんですよ。主人公の名前も最初は違う名前をつけて書いていったんですが、“透明の花と書いて透花、これだ!”と思いついて、最後に全部変えました。

 

――合唱にスポットを当てた理由は?

モモコ 舞台がミッション系の学園だし、私が書きたいことが合唱っていうものを通して伝えられそうだなと思っただけで、別に合唱が最初にあったわけでは全然ないんです。ただ、自分の中で“声を出す、歌う”って、BiSHの活動の中でも一番ぐらいに考えさせられることだったんです。

 テレビで生で歌うたび、いろいろ言われたりしましたし。それはすごく反映されていると思います。私自身、何かを信仰してることはないんですけど、人間誰しも何かに祈りたくなる時ってあるじゃないですか? そういう部分と、賛美歌という神聖な感じが私の中で合致して、答えが出せるんじゃないかなって。

 

作家としての自信に繋がった窪美澄さんからのメッセージ

――「わかりあいたい、という絶叫のエコーには、血と涙と死のにおいが混じりあっている」という推薦の帯文を、モモコさんが敬愛する作家の窪美澄さんが書かれています。

モモコ 窪美澄さんは伝えたいことが一貫してるんです。性/生について深く考えさせられる作品が多くて、窪さんの作品じゃないと見えない自分の側面に向き合わされるところをすごく尊敬していて。それで今回、手紙を書いてお願いしたところ、快く受けてくださいました。しかも、帯文以外にも長いメッセージをいただいて、作家として書くことの自信に繋がりました。