6月29日、東京ドームで5万人を集めた解散ライブを行い、8年以上にわたった活動に幕を下ろした人気ガールズグループBiSH。ドームから溢れた愛と哀に包まれて「満開フィナーレ」を遂げたメンバー6人は、既にそれぞれの道を歩み始めている。

 7月21日に小説第2作となる『悪魔のコーラス』を上梓したモモコグミカンパニーに、解散後の変化や解散ライブのこと、そして小説執筆の背景などを聞いた。(全2回の1回目/続きを読む)

モモコグミカンパニーさん

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「悲しい」という気持ちはあまりない

――BiSH解散ライブから1カ月が経ちました。何か大きく変わったことはありますか?

モモコグミカンパニー(以下、モモコ) 変わったといえば変わったんですが、日々への向き合い方はそんなに変わってないですね。解散後もあまり休んでなくて、BiSHの勢いのままソロで頑張ってやってる感覚です。

 先日もメンバー4人と会う機会があったのですが、「お互い頑張ってるよね」みたいな感じで、とくに「懐かしいね」とかはなく(笑)。今までは6人がひとつの方向に向かっていたのが、それぞれ違う方向に向いただけで、顔の向きが変われば見える景色も変わるはずですが、それでも、あまり変わった気はしないです。だからこそかもしれないですけど、「悲しい」という気持ちも今はあまりないですね。

 

東京ドームに全てを懸けていた

――それでも、BiSHという背負っていたものがなくなったことは実感しますか。

モモコ そうですね。やっぱり東京ドームをやりきったことは自分の中ですごく大きくて、だから、未練になってないんです。最後の曲の『Bye-Bye Show』を歌い終わって、リフターに乗ってステージからガーッと下がっていって、目の前がたくさんのお客さんから真っ暗な景色になった瞬間、 「ああ、終わった」、「やりきった」と思ったんです。東京ドームに全てを懸けていましたから。

――ライブの準備をしなくていい生活というのはどういうものですか?

モモコ そこの部分はすっごい気が楽です(笑)。BiSHのライブは本当に特別でした。自分を暗くしたのも明るくしたのもBiSHのライブだし、ライブから帰ってきて、家の前に来たけど鍵穴に鍵を入れる力が残ってないような時も多々ありました。

 それぐらい体も感情も揺さぶられていました。とにかくいろんな気力が必要で、今の自分ではBiSHのライブに太刀打ちできないというか、(ステージに)もう立てないと思います。