6月29日、東京ドームで5万人を集めた解散ライブを行い、8年以上にわたった活動に幕を下ろした人気ガールズグループBiSH。ドームから溢れた愛と哀に包まれて「満開フィナーレ」を遂げたメンバー6人は、既にそれぞれの道を歩み始めている。
7月21日に小説第2作となる『悪魔のコーラス』を上梓したモモコグミカンパニーに、解散後の変化や解散ライブのこと、そして小説執筆の背景などを聞いた。(全2回の2回目/最初から読む)
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移動中や遠征先のホテルで執筆
――解散ライブを終えて、その翌日からメンバー6人それぞれ新たな一歩を踏み出しました。モモコさんも小説2作目となる『悪魔のコーラス』を上梓されましたね。
モモコグミカンパニー(以下、モモコ) 解散後すぐに小説を出すことは自分なりの道筋だと思っていたんです。なので6月はBiSHに“全振り”するため、小説の作業は5月中に全部終わらせようと決めていました。
――執筆期間はどれぐらいだったんですか?
モモコ 去年の10月から書き始めて、年末年始で物語の核を固めて、全部終わったのが5月中旬だから7カ月くらいです。移動中の新幹線や飛行機、遠征先でもホテルの中で書いてました。“ここで寝たら解散後すぐに出せなくなる。それは作家としての死を表す”って自分に鞭を打ちながら(笑)。
人間の生々しい部分を大切に描いた作品
――今作はミッション系中学に転校してきた主人公・透花が母親との葛藤を抱えながら、合唱部の異様な活動に呑み込まれていく青春サスペンスです。
モモコ 1作目の『御伽の国のみくる』を書いている時から、次回作は中学生をテーマにしたい、親子関係を書きたいっていうのはずっと種として持っていました。『みくる』はBiSHの活動と近い仕事をしているメイド喫茶が舞台だったので、自分を試す意味で次は全然違うものを書こうという野望もあって。