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 2月17日の衆院予算委員会では、秋本氏の秘書給与法違反疑惑が取り上げられた。ただ、秋本氏は政策秘書の給与を私設秘書と二人で分けていたとの疑惑を否定。その根拠は、C氏はあくまで「B氏(小林氏)が自身の政策秘書業務を補完するために契約した方」であり、自身の指示ではなく、小林氏の指示で仕事をしているというものだ。

秘書給与法違反疑惑の重要な争点は

 実際、野党議員の質問に対し、次のように繰り返していた。

――イエスかノーでお答えをください。秋本衆議院議員が直接仕事を指示したことはありますか。

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「C氏は、議員会館などにおいて、B氏(小林氏)の指示で仕事をしてくれておりました」

――直接指示をしたのかを聞いているんですよ。お願いします。

「繰り返しで大変申し訳ないんですけれども、C氏は、B氏(小林氏)の了解の下に事務を行っているわけであります」

 つまり、秘書給与法違反疑惑において、C氏は秋本議員の指示で仕事をしていたのか、あるいは政策秘書である小林氏の指示で仕事をしていたのか、が重要な争点となっているのだ。もしC氏が秋本議員の指示の下、繰り返し仕事をしていれば、C氏の雇用者は秋本議員ということになり、給与を小林氏に肩代わりさせていたことになる。

「週刊文春」は、私設秘書であるC氏への取材依頼を重ねてきた。当初は断っていたものの、最終的にC氏は、以前から相談をしていた知人M氏の同席のもとで取材に応じることを決断。M氏から「重要なのは事実を伝えること」と助言を受け、「週刊文春」の求めに応じ、秋本氏とやり取りしたメールを提供した。そこに記されていたのは――。

国会答弁とは明らかに矛盾しているメール

 例えば、2021年7月18日、秋本氏はC氏に次のようなメールを送っている。

〈明日から千葉の団体回りをスタートさせてください。会長や事務方の名前、分からない団体は話したように進める事〉

 2021年7月と言えば、任期満了に伴う衆院選が同年10月末までに予定され、各議員は選挙区回りを活発化させていた時期。そうした中、秋本氏もC氏に対し、自らの選挙区(千葉市若葉区など)回りの指示を出してきた。

 2021年7月28日には、以下のようなメールを送っている。

秋本氏からC氏への指示メール

〈若葉区以外の千葉市+いくつか示したと思ったけど。Cさん(原文は本名。以下同)の中でそうなってないなら若葉区以外の千葉市を回った時点で他は回らずに一度終えて下さい〉

 そして、こう続けた。

〈Dは不正確だし私と違う事を言いそうなので指示は受けなくて良いです。私に確認して下さい。他からの指示は無視して良い〉