8月4日、東京地検特捜部は、自民党の秋本真利外務大臣政務官(47)に風力発電会社「日本風力開発」から不透明な資金提供を受けていた疑いがあるとして、衆議院第一議員会館内にある秋本氏の事務所に家宅捜索に入った。同日、秋本氏は外務政務官を辞任した。
秋本氏を巡っては、これまで「週刊文春」が複数の疑惑を報じてきた。当時の「週刊文春」のスクープ速報を公開する。(初出:週刊文春 2023年3月2日号 年齢・肩書きは掲載当時のまま)
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秘書給与法違反の疑いが浮上している秋本真利・外務大臣政務官(47)が、国会で事実と異なる答弁をしている疑いがあることが、「週刊文春」の入手したメールからわかった。
これまでの報道を裏付ける証拠を入手
秋本氏は2012年に千葉9区から初当選し、現在、当選4回。昨年8月の内閣改造で、外務大臣政務官に就任した。再生可能エネルギー事業の推進に熱心で、河野太郎デジタル相の最側近としても知られている。
「週刊文春」2月2日発売号では、秋本氏の地元事務所が無許可で市街化調整区域内に建築され、違法状態にあった旨を報道。秋本氏は翌3日の国会で「深く反省をしています」と述べたうえで、事務所を移設する方針を示した。また、「週刊文春」2月9日発売号では、再エネ事業を手掛ける「レノバ」との関係を巡り、秋本氏がレノバ関係者からの献金について国会で否定していたにもかかわらず、同社の創業メンバーで特別顧問だった人物の会社から献金を受け取っており、虚偽答弁の疑いがある旨を報道。秋本氏は「法的には何ら問題ないものだと認識している」などとしている。
さらに「週刊文春」2月16日発売号で報じたのが、秘書給与法違反疑惑だ。
「秋本事務所では2021年6月、弁護士の小林亞樹氏が政策秘書に就任した。ただ、彼女は本業が忙しく、殆ど国会事務所に出勤できない。日常業務に支障が出ないよう代わりの常勤秘書が必要でした」(事務所関係者)
そんな中、小林氏に誘われ、私設秘書になったのがC氏だ。C氏は2021年5月から昨年6月まで、国会事務所に平日は9時から18時まで勤務。名刺には〈秋本真利 秘書〉と記され、個人用アドレスも支給されていた。ところが、C氏に給与を支払っていたのは、秋本事務所ではなく、小林氏だったのだ。
衆院予算委員会で秋本氏は疑惑を否定
それを裏付ける証拠が、「週刊文春」が入手した「業務委託契約書」(2021年6月1日付)。小林氏とC氏の所有する賃貸物件を管理する個人会社の間で締結されたものだ。〈衆議院秋本真利の政策秘書業務に付随する一切のサポート業務を委託〉し、銀行振込で〈報酬として月額25 万円を支払う〉旨が明記されていた。公費である政策秘書給与から、C氏の報酬を出せば、秋本事務所は人件費を支出する必要がない。事実上、秋本氏が私設秘書の給与を政策秘書に肩代わりさせている構図で、国会議員による秘書への寄附の要求を禁じた秘書給与法21条の3に違反する疑いがある。