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乗客たちを切りつけた“凶行”の詳細
乗客を物色し、たまたま座っていた当時20歳のAさんを認めると「もともと標的としていた“男にちやほやされるタイプに近い”と殺すことを決意」(同前)して正面から複数回、胸腹部などを刺したうえ、背部をさらに刺した。
これを見て逃げようとしていた52歳のBさんに対しても複数回切りつけ、車両連結部に殺到する乗客で身動きが取れない状態にあった32歳のCさんの胸腹部を目掛けて切りつけたがCさんは腕で防御した。さらに別の乗客に包丁で切りつけようとしたところ、握り棒に包丁の刃が当たって折れたことから、包丁での切りつけを断念する。
だがこれでも終わらず、さらにサラダ油を床に撒き、火をつけようとしたが、引火させることができずに、ようやく犯行を断念した。そして緊急停止していた電車の扉から車外に降りたという。
大量殺人を目論み、福岡から東京へ
大量殺人のために、密室となる電車内で犯行に及び、さらには車両に火をつけようとした対馬被告の犯行は、2021年8月当時、大きく報じられた。
この影響を受けたのが、同年10月に京王線で事件を起こした服部恭太被告だ。
服部被告は2018年から勤めていたコールセンターのチャット窓口業務を2021年7月に辞め、同月末に「東京に行く」と家族に伝え、住んでいた福岡県から東に向かっていた。退職の意向を会社に伝えたのは6月。この翌日、サバイバルナイフを注文していた。彼は彼で、もともと大量殺人を目論んでいた。
(後編に続く)