8月4日、来日中の国連人権理事会の「ビジネスと人権」作業部会のメンバーが日本記者クラブで会見を開いた。

 ジャニーズ事務所創業者・ジャニー喜多川氏の性加害問題について、元ジュニアや事務所関係者らに聞き取りをしたと明かした上で、「謝罪であれ金銭的な補償であれ、被害者の実効的救済を確保する必要性」があるという声明を公表した。

週刊文春」は1999年以来、ジャニー氏の性加害問題について報道してきた。元ジュニアの男性が実名で被害を告白したスクープ速報を再公開する。(初出:週刊文春 2023年5月18日号 年齢・肩書きは掲載当時のまま)

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 過去8週にわたり小誌が報じてきた、ジャニーズ事務所創業者・ジャニー喜多川氏による性加害。被害を告白した元ジュニアは合計で11人にのぼる。

 今回、新たに実名・顔出しで被害を告白してくれたのが、1998年からジャニーズJr.として活動をしていた橋田康氏(37)である。

橋田氏は3時間にわたって当時のことを語った

「誰か分からない人間がイニシャルで話すより、顔を出して自分の言葉で話をした方が、強く世の中に発信できると思ったのです」

 今も芸能活動を続ける橋田氏は、実名で取材に応じた理由をそう語る。今もジャニーズへの思いは強い。

オーディションの二次審査でジャニー氏に声をかけられた

「ジャニーさんが作り上げてきた世界は本当に凄い。性加害を単に否定するというより、ジャニーズがいい方向に変わっていくために、お話しすることにしました」

 入所以来、後にKAT‐TUNやNEWSになるメンバーらと一緒に、ジュニアとして活動をしていた橋田氏。KinKi KidsやV6のバックダンサーを務めた。ジャニー氏との最初の接点は、オーディションの二次審査だったという。

「皆がまだ名前を覚えられていない時期に、『橋田』と呼んでくれました。覚えてくれていたことが、すごく嬉しかったです」

地方公演先のホテルで事件が起こる

 ジャニー氏から「ご飯食べようか」と、誘われて家に行ったこともある。リハーサル後、他のジュニア4、5人と一緒に車で、六本木のアークヒルズの家に連れていかれたという。

「ホットプレートで焼肉を食べました。ジャニーさんは肉を焼いてくれたり、ご飯をよそってくれたりと、お世話をしてくれました。『泊まっていきなよ』と言われましたが、東京の郊外に住んでいたので、電車のある時間に帰りました」

 事件が起こったのは1999年、地方の公演先でのこと。彼は中学1年生だった。仕事が終わると事務所が用意したホテルに、数十人のジュニアたちと泊まった。事務所スタッフから部屋が2人ずつ割り振られ、鍵を渡された。