キー局は全部不合格…長年の夢が叶わなかった絶望
――確実にステップを踏んだはずなのに、本番のアナウンサー試験ではキー局全部に落ちてしまう。
西澤 面接までは進むんですが、受からないんです。今振り返ると、試験ではこうしなきゃいけないという自分の中で変な形を作ってました。「これを聞かれたらこのエピソードを話す」とか「まず自己紹介はこのエピソードで30秒」とか。スクールで習ったものをそのまま出さないと合格できないと思い込んでました。
話す内容を決めすぎていた分、落ちたとしても、次の局の面接で柔軟に変えられない。また同じ話をしては落ちるを繰り返してました。
――型が決まった優等生より、個性があるほうがより魅力的に見えるかもしれませんね。
西澤 そうです、そうです。だから、今となってはダメなタイプだったなと思います。形が崩れたところに面白み、人間味が出るのに、そういうところを見せちゃダメだと思い込んでいて。あるキー局は最終の手前くらいまでは進んでいたんですが、落ちてしまいました。
――キー局を目指して大学も選び、ミスコンやスクールと準備に準備を重ねて、それでも夢には届きませんでした。どんな思いでしたか。
西澤 言葉では表現できないです、そのときの心境は。周りも巻き込んで、いろんなことを重ねてきての試験だったので。しかも、アナウンサーは新卒のタイミングを逃したら、なかなか目指せる夢じゃないということも分かっていたので、アナウンサーになるという夢は諦めないといけないなと思いました。
この先どうしよう。何で落ちたんだろう。あのときこんなトークをしてたらよかったかな。あれが駄目だったのかなと後悔を繰り返して。想像以上に負のオーラが出ていたと思います。
――でも、それはしょうがないですよね。それだけの準備を積み重ねてきたうえでの結果だから。
西澤 アナウンサー試験に落ちたことは、親友にも言えなかったです。アナウンサーになるのが目標だって周りに言って、逃げられない状況を自分で作っちゃってるから、何て言えばいいのかわからなくて。実は今でもはっきりは言ってないです。まだ落ちてないことになってます。