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面談の席での釈明に首を傾げる遺族

 その一例が、廊下に残された血痕についてだ。「週刊文春」8月10日号では、“事件性アリ”の決定的証拠である捜査メモの内容を報じている。作成者は2018年春から一連の再捜査を指揮していた、捜査一課殺人犯捜査第一係(サツイチ)の当時の係長だ。着目したのは、廊下に滴り落ちた複数の血痕だった。

〈廊下の血痕は、凶器から滴下したもの。(中略)こうした犯行現場の状況から何者かが凶器を持ち出し、一度部屋を出たことが推察される〉

 現場となった種雄さんの自宅の廊下に血痕が残されており、これが殺人事件であることの裏付ける重要な証拠だったのだ。この報道を読んだ遺族は、2度目の面談の前に、事前にこの点についても質問。これに対し、面談の席でW係長が用意してきたのは、A4用紙2枚にプリントされた写真だった。

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亡くなった種雄さん(遺族提供)

 1枚目は遺体の搬送前、2枚目は遺体の搬送後のものだという。搬送後とされる写真に写された和室の戸の桟付近には、直径1センチ程度の血液痕が2つ落ちていた。これについて、W係長はこう釈明したのだ。