2006年に発生した木原誠二前官房副長官の妻・X子さんの元夫・安田種雄さんの不審死事件、通称「木原事件」。同事件を巡り、3月5日にX子さんの聴取を担当した警視庁捜査一課の元警部補・佐藤誠氏(64)が検察に陳述書を提出していたことが「週刊文春」の取材で分かった。

 木原事件は、昨年7月以降、「週刊文春」が連続して報じてきた。佐藤氏は、2018年の再捜査に携わった元取調官として昨年7月27日発売号に登場。実名で「事件性があったこと」などを証言し、7月28日には記者会見も行った。

佐藤誠氏 ©文藝春秋

 同年10月には、種雄さんの遺族が捜査の再開を求めて当初の捜査を担当した警視庁大塚署に告訴状を提出。受理はされたものの、大塚署は12月には早々に「事件性なし」として検察に書類を送付していた。

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〈明らかに他殺であるという証拠が多数残っていた〉

 そんな中、佐藤氏が自身が捜査員として経験したことなどを綴った陳述書を検察に提出した。佐藤氏本人が語る。

「実際に事件を手がけた刑事が供述することが一番いい方法ですから」

 全7枚にわたる陳述書では、改めて「事件性があること」が訴えられている。

〈当時の書類、証拠や現場の写真などを精査しても、自殺と認定するような物は何一つなかったし、明らかに他殺であるという証拠が多数残っていた〉(陳述書より)

刑事告訴後に会見した種雄さんの父と姉 ©時事通信社

 そして、数々の証拠品の存在や聴取した人物の供述、自身も参加した強制捜査などを挙げた上で、佐藤氏は自身の“見立て”を述べ、「自殺」として処理した警察幹部の責任を厳しく指摘したのだった。

 佐藤氏の陳述書には一体、何が書かれていたのか。また、今回なぜ提出に踏み切ったのか。現在配信中の「週刊文春 電子版」では、全7枚にわたる陳述書の詳しい中身を公開中だ。さらに今回、佐藤氏と共に陳述書を提出した人物がいる。“もう一つの陳述書”の中身と、提出者の素性についても併せて報じている。

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