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「おかしいと気づいていた」お金持ちがビッグモーターに車を持ち込まない当たり前の理由2つ

source : 提携メディア

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たとえば、70万円で仕入れた中古車を100万円で販売すれば、粗利は30万円(粗利率30%)です。給与の2倍の粗利を稼ぐとするなら、年収4000万円の社員は年間8000万円の粗利を稼ぐ必要があります。仮に粗利率が30%とすると、年間売上は2億6000万円を超えます。300万円の中古車を売るなら、年間87台、月7台以上売らなければなりません。

ビッグモーターとは直接関係ありませんが、中古車小売業の一般的な経営指標を確認してみましょう。

中古車小売業の粗利率は約27%

2023年2月に公表された日本政策金融公庫のデータによると、中古車小売業の売上総利益率(粗利率)は平均27.1%です。100万円で中古車を販売すると約27万円の粗利が得られることになります。

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一方で従業員1人当たりの売上高は約3300万円、従業員1人当たりの人件費は平均約350万円となっています。

従業員1人当たりの売上高に粗利率を掛けて従業員1人当たりの粗利額を計算すると約890万円になります。従業員1人当たりの人件費に対して2.5倍の粗利を稼いでいることになります。

このデータからも給与の2倍以上の粗利を稼がなければ、経営が成り立たないことがわかります。

回転寿司と高級寿司はどちらが儲かるか

お金持ちの中でもビジネスオーナーは、常にこうした思考をしています。食事に行ったときも同じです。仮に寿司を食べにいったとしましょう。

寿司屋には1貫100円程度で楽しめる回転寿司から1貫数千円する高級店までさまざまあります。その違いはなんでしょうか。

高級店では回転寿司では使えないようなこだわったネタを仕入れているでしょうから、原価が高いことは確かです。しかし、それだけでは、1貫数千円の価格をつけることはできません。

店の雰囲気や接客などの付加価値も価格に含まれているはずです。

お金持ちは高級店を訪れたとき、考えを巡らせます。「客単価はこれかくらいで、一日○回転するだろうから、1カ月に○日の営業で売り上げはこれくらいになるだろう」「スタッフは○人雇っているから人件費はこれくらいかかる」などと連想し、どのくらい儲かっているかを考えます。