皆さんこんにちは、東京ヤクルトスワローズ広報部の三輪正義です。公式戦も残すところあと1試合。残念ながらリーグ3連覇はなりませんでしたが、今年も熱い応燕、本当にありがとうございました。この場を借りて御礼申し上げます。チームはこの悔しさを来季、必ずや晴らしてくると信じています。
さて、毎年この季節になると、避けて通れないのが「仲間との別れ」。今年も残念ながら一緒に戦ってきた仲間がチームを去ります。
今日は先日現役生活最後の試合を終えた、あの男について少し書いてみたいと思います。
40年ぶりの男
2009年、ドラフト3位で東京ヤクルトスワローズに入団。ルーキーイヤーの2010年の開幕戦、東京ドームで行われた対読売ジャイアンツ戦で7番・ショートでスタメン出場。なんとスワローズでは40年ぶりのルーキー開幕スタメンという華々しいデビューを飾りました。
当時、その事実はかなり話題となっていたので、僕は彼のことを「お! 40年ぶり!」とか言って事あるごとにイジっていたのを思い出します。
彼は1987年生まれ、川端慎吾、松井淳、比屋根渉、麻生知史、水野祐希、江村将也……。4つ上の僕を先輩とも思わない、イコール僕が名付けた「性格難世代」の一員。この面々は僕にはぞんざいな態度で接してくるくせに、先輩からグータッチを求められると、グーとは反対の手をパーにして添えるような、なんとも理解しがたい行動をとる、まぁ、可愛いやつらなんです。
決して饒舌ではないが通ずる男
彼が入団したてのころは、僕も球団の戸田寮住まいだったので、一緒に夜間練習をよくしました。毎日のようにバットを振っていると、いつもそこにいたのが彼でした。黙々と練習する彼、饒舌ではないですが通ずるものがありました。
今回も引退記念にアプリ用の動画のオファーをLINEで出しても、「わかりました、よろしくお願いします」の短い返答。皆まで言わずとも僕の求めているものをわかってくれているのです。
そんな彼、僕に対しては、よく言えばツンデレ、悪く言えば口が悪い。一緒にプレーしているときは「何やってんだよ!」などと言ってきていたと思いきや、僕が現役を退き、広報としてたまに彼の顔を見に行くと、「お! マーシーじゃん! 何しに来たの?」などと、敬意のかけらもない口調ですが、本当に嬉しそうにするので「お前、本当に俺のことが好きだなぁ~」などと返してやっているのです。
チーム1のイケメン
現役のときは、あまりに僕をイジってくるので「しかし、お前の持ち味は顔だけだな。イレギュラーバウンドを顔に当てでもしたら、持ち味が消えるんだからな、顔だけはしっかり守れよ」と言うと、「三輪さんは顔に当ててもなんも変わらないすもんね」とあしらわれたことを昨日のことのように思い出します。
2018年から5年間行われた「スワローズイケメン総選挙」では3位か4位。トップの戴冠はなりませんでしたが、まさに常連。言い方は悪いですが、成績やキャラクターを加味しない、“純粋なイケメン”ならダントツの1位だと思っており、毎年の成績発表にはちょっと不満を抱いていたひとりです。
忘れもしないのは、2013年6月9日。神宮で行われた、対北海道日本ハムファイターズ戦で、ショート山田哲人、サードは彼。彼らの守備の乱れもあり、敗れた次の日のこと。
その日はオフでしたが、神宮に出向いて僕個人は打撃練習をしようとしていたら、山田と彼が休日返上で特守を受けていました。そこに出くわしてしまったものだから、僕も呼ばれ、みっちりとノックを受ける羽目に。城石憲之内野守備走塁コーチに「たっぷり可愛がられた」のを覚えています。