7月4日真夏の東京ドーム、楽天スーパーナイター。

 ワンアウトもとれず初回頓宮に満塁弾を打たれ4回9失点(自責点8・日本での自己ワースト)でKOされた落日の田中将大をみた。

 10年前の2013年、シーズン無敗で過ごし神の子から神となった田中将大も永遠でなかったことを知り、自分も気づけば45歳2児の子持ちのおっさんになっていたことを悟る。時の流れは諸行無常、仙台フォーラスも来年3月1日から休業、北京餃子の広東焼きそばが食えなくなる危機であることをサンドウィッチマンのラジオで知る。仕事に育児(主に送迎だけど)に忙殺される毎日。育児のゴールデンタイムにどん被りする時間に悠長に野球を見ていることは、家庭において戦力外通告をされる寸前に等しい。

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「パパ、いつかえってくるの?」娘からの連絡で4回もたず私の野球時間もKO寸前。

 大好きなプロ野球に熱中できなくなる環境、けどそれが悲しいわけでもない。奮い立たせるような情熱が何事にも湧き出てこない45歳。ほうら情熱情熱情熱、真っ赤に燃えたぎるあの頃の情熱はどこいったんだ、熱狂のない多忙ながらも穏やかな日々の合間に野球をみているおっさんも多いのではないだろうか。

楽天ナイン ©時事通信社

CS争いできた要因はなんだったのか?

 10月5日木曜日。東京駅から北へ北へと楽天モバイルパーク宮城へ向う。もはや秋になった仙台、朝晩冷えるのすっかり忘れていた。薄手の長袖シャツは着ていたので、防寒対策も兼ねてチームショップで半額になっていた銀次のマイヒーローユニフォームを新調するが、寒風吹きすさぶ真っ只中では何の役にも立たなかった。生ビールよりホットコーヒー、ハイボールより梅酒のお湯割りを頼む。

 今年の春先、空席が目立つ楽パの観客席を背景にした石井“専任”監督の表情はなんだか暗そうにみえた。正直東京ドームでみたときもその前の神宮でみたときも、千葉マリンでみたときも、今年は優勝はおろか、CS争いできるようなチームだとはとても思えなかった。

 そんなチームが上昇気流に乗れた要因はなんだったのか?

 村林一輝、伊藤裕季也といった若手のブレイク。荘司康誠、渡辺翔太、鈴木翔天など若手投手陣もがんばった。則本だってきっちりイニングを食ってくれた。なんだかんだ5番をしっかり打ったタケロー、終盤の9月一軍に上がって決勝打を放った銀次、後半戦しっかり状態を上げてきた、ここで島内。2013年を知るベテラン勢が踏ん張りどころを支えたのか。思い返せば6月8日阪神との交流戦、小郷裕哉の号泣がその発火点だったのかもしれない。今江コーチ、永井コ一チの一軍昇格で選手たちのモチベーションに変化があったか。ひょっとしたら8月の森井球団社長への代表交代も組織内の風通しに良き変化をもたらしたのか?

 盗塁王争いトップを走る小深田大翔、ホームラン王トップタイ、連続出場を更新する4番・浅村様、2年連続最多セーブ王確定の東北の宝・松井裕樹。タイトルホルダー続出、これって投打の軸がしっかりしてるってことだよね?

 そう、CS争いできた要因はさまざまだ。