難問に取り組むのは、気分がノってきてから
そして、勉強法を教えてくれた東大生や京大生がそろって言っていたのは、「心理的負荷が低いものから始める」ということです。
いきなり、物理のすごく難しい問題や、京大入試問題の数学をやったりしない。
そうではなくて、単語の暗記や音読、一問一答などのラクなものから始めるのです。後は、その日に学校で習ったことを、5分ぐらいでざっと復習するなどします。
どんなに頭が良かったとしても、負荷が大きい難問に取り組むのは、気分がノってきてからではないと厳しいからです。
市販の問題集でも、自分で負荷を調整して勉強することもできます。たとえば、英語の長文問題集なら「ざっと例文を見て、知らない単語に線を引いていく」「単語の意味を調べる」「例文を読む」「問題を解く」みたいに分割することもできる。
そうすれば、分割した課題をそれぞれ5分ぐらいでやれるので、心理的負荷も軽く、取り組みやすくなると思います。
仕組みを生活の中に溶け込ませるテクニック
仕組みを作って、自然とやってしまえるようにする。この考え方は、勉強以外にも活用できるので、ぜひ日常生活の中にも取り入れてみてください。
たとえば、毎朝のジョギングを習慣にしたい、とあなたが思ったとしましょう。そもそもジョギングって、部屋にいるときはものすごく面倒に感じます。本当は二度寝したいのに、朝起きてわざわざ走りにいくのは大変ですよね。
でも、皆さんも経験があるかもしれませんが、いったん外に出てしまえば面倒くささが一気に消え去ることもありますよね。後は10メートル走ろうが、2キロ走ろうが、気持ち的にはあまり変わりませんよね。
つまり、この場合では単語帳を開くハードルを低くしたのと同じように、「外に出る」までのハードルが極力低くなるように、仕組みをつくればいいわけです。
一例ですが、トレーニングウェアをパジャマにする、という対策を考えることもできます。ウェアに着替えた状態で寝れば、朝起きたらそのまま走りに行けますよね。
起きてから走りに行くまでのレールをあらかじめ敷いてしまえば、行動のハードルをかなり下げることができます。
そして、「今日は疲れてるから走らない」という日があっていい。「朝起きて、外に出る」だけクリアすればいい。
習慣化とは、ハードルを下げることで身につきやすくなります。