リスキリングなど、社会人にも勉強が求められる時代。時間がない大人は、成果を最大化するために、どのように勉強すればいいのだろうか?

 ここでは、社会人向け英語塾や予備校を経営するスタディハッカー代表取締役の岡健作氏が、2万人を成功に導いた勉強のノウハウを綴った著書『勉強の戦略——9割の「努力」をやめ、真に必要な一点に集中する』(朝日新聞出版)より一部を抜粋してお届けする。(全2回の1回目/2回目に続く)

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「ほんのちょっとだけやってみる」のは、大正解

 私の会社では「STUDY HACKER」という勉強法のサイトを運営しています。

 サイトを立ち上げたばかりのころは、東大生や京大生のアルバイトがたくさんいて、彼らが実践している勉強法を聞いて、それを紹介する記事にしていました。

 今回はその中でも、とくによかった勉強法を2つ紹介します。

 これらの勉強法を聞いたときはすごく感心して「もっと早く知りたかった!」と思いました。でももちろん今からでも遅くありません。大人になってからも、英語の勉強や仕事などに活用できると思います。

©AFLO

脳のクセを利用した「とりあえず5分勉強法」

 1つ目は「とりあえず5分勉強法」というものです。

 これはその名の通りです。「5分だけやってみよう」と思って、とりあえず勉強をめる勉強法です。これが不思議なもので、5分だけやってみると、いつのまにか集中できていて、結局ちゃんと長い時間でも勉強できているのです。

 これにはちゃんとした理由があります。こういった状況は「作業興奮」という言葉で説明されています。一度取りかかってみることで、脳の「側坐核」という部位が刺激され、ついつい長時間その行動を取り続けてしまうのだそうです。

 試験前なのに、部屋の掃除を始めたら止まらなくなってしまったり、「5分だけ……」と思っていたのにスマホ1時間触り続けていたり、ちょっと1杯だけのつもりが深酒をしていたり。原理としては、これらのものと一緒です。

 悪い方向にいくとそうなってしまうのですが、こういった脳のクセを利用して、良い方向に活用したのが「とりあえず5分勉強法」です。