リスキリングなど、社会人にも勉強が求められる時代。時間がない大人は、成果を最大化するために、どのように勉強すればいいのだろうか?

 ここでは、社会人向け英語塾や予備校を経営するスタディハッカー代表取締役の岡健作氏が、2万人を成功に導いた勉強のノウハウを綴った著書『勉強の戦略——9割の「努力」をやめ、真に必要な一点に集中する』(朝日新聞出版)より一部を抜粋してお届けする。(全2回の2回目/1回目から続く)

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勉強ができるのは、環境のおかげなのか?

「東大に受かるのは、環境のおかげだ」と言われることは多くあります。

 確かに、周りの環境は、習慣の形成に大きく影響します。「周りがみんな授業をサボっている」環境と「みんな勉強している」環境では、勉強のしやすさはまったく違います。

 勉強する人が多い環境にいると、いざ「勉強しよう」と思ったときに、周りから正しい戦略を教えてもらえます。

 

 進学校が受験に有利なのは「正しい戦略」が提示されやすいからです。先輩や先生から、見当はずれの方法を教わってしまう可能性が低い。進学校の強みはそこにあります。

 社会人でも、いい会社に入ることで仕事ができるようになったりします。それは上司や先輩から、変な仕事のやりかたを教わることが少ないからです。

「ちゃんと勉強している人」を意図的に周りに増やす

 こんなことを言うと「結局環境で決まるなら、運次第じゃん」と思われるかもしれません。

 しかし、もし今いる環境が悪くても、諦める必要なんてありません。

 たとえば、受験に失敗して進学校にいけなかったとしても、塾に行くことで環境を変えられます。たくさん合格者を出しているところや、規模が小さくても、いい大学へ行っている人の割合が多い塾に入ってみればいいわけです。いい塾では、みんな勉強する習慣が身に付いているし、先生にも正しい戦略を教えるノウハウがあります。

 また金銭的な理由で、塾に行くのが難しい方などは、SNSで同じように勉強している人とつながってみるのは1つの策です。

 SNSで勉強したことをアピールすることには落とし穴がありますが、勉強している人とつながるというSNS本来の使い方をすれば、今まで知らなかった勉強に関する情報を仕入れることもできます。自ら環境を作っていくことで「ちゃんと勉強している人」を、意図的に周りに増やしていくのです。