こんにちは。いつもご愛読ありがとうございます。
「週刊文春」では、先週から「寄付プラン」なるものを始めました。詳しくはこちらをご覧ください。
最初にこれを提案してくれたのは、「週刊文春電子版」のコンテンツディレクターを務める村井弦君です。彼は実名、顔出しで文春のPR役を担ってくれており、ラジオ番組(文化放送の「おはよう寺ちゃん」、毎週木曜日午前5時台)や、電子版で聞ける文春記者トークの司会でも、読者の皆さまにはおなじみかと思います。
改めて紹介すれば、入社13年目、34歳の俊英です。弦の名前の通り、音楽にも造詣が深く、ギターもドラムもこなします。英語も堪能なのですが、さらに驚いたのは一緒に何度か韓国へ取材に行った際のこと。いつの間に覚えたのか、金浦空港に着くと、韓国語でタクシー運転手に行き先を告げたのです。独学にもかかわらず流暢な発音で、一発で通じていました。彼よりも韓国渡航歴は多いのに(2002年の日韓ワールドカップの取材手伝い以来、10回以上)、いまだにメクチュジュセヨぐらいしか覚えない自らの怠慢さを恥じたものです。
さて、そんな村井君が提案してくれた寄付プラン。最初は「こんな風に寄付を募ると、文春もいよいよ儲からなくなってジリ貧だと思われるのではないか」という思いも一瞬頭をよぎりましたが、彼の意図するところはこういうことでした。
欧米メディアの電子版が、寄付を募って成功している例を見て、週刊文春電子版も、日本のメディアではいち早く、そうしたチャレンジをしてみたいと思った。特に顕著な成功例は英紙ガーディアンで、一時は危機にあったものの、寄付によって収支が劇的に改善し、数年前に黒字化を実現している。週刊文春に対しては実際に、「雑誌を何冊も買って応援したい」、「取材費として寄付をしたい」などというありがたい読者の声があるのだから、その受け皿となる仕組みを作りたい、ということでした。
金浦空港での衝撃と同様、怠惰で不勉強な私は、またも蒙を啓かれることになったのでした。
考えてみれば、クラウドファンディング然り、ネット動画への投げ銭然り、「私の好きなものを応援したい」という熱意を受け取る多様な形の資金集めは、もはや当たり前の時代です。我々は雑誌やオンライン記事を売ってなんぼだ、という従来の考え方に固執せず、柔軟に様々なトライをしてみよう、と思った次第です。
というわけで、新たに始まった寄付プラン。開始から約2週間で、すでに50名近くの方から、20万円近いご寄付を頂きました。取材費として大切に活用させていただきます。また寄付者の皆さまには、近い将来、私や編集部員と直接語り合えるような場も設けたいと考えています。
愛読者の皆さまに支えられ、可愛がっていただいてこそ「週刊文春」は面白い雑誌であり続けることができます。益々のご支援、ご意見をお待ちしています。
「週刊文春」編集長 竹田聖