8月に5年ぶりの武道館ライブを超満員で成功させた福山雅治(54)。昨年は『ガリレオ』シリーズ(原作:東野圭吾)の劇場版第3作『沈黙のパレード』が9年ぶりに公開され、第47回報知映画賞主演男優賞も受賞している。

 今年に入っても『ラストマン―全盲の捜査官―』(TBS)で全盲のFBI捜査官を演じて話題になった。

福山雅治さん ©文藝春秋

『ガリレオ』では天才物理学者、『ラストマン』ではFBI捜査官と福山には“インテリ”役がよく似合う。そして福山とインテリ役の出会いが、1993年4月クールの月9、『ひとつ屋根の下』(フジテレビ)にほかならない。

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 平均視聴率28.4%、最高視聴率は月9史上最高の37.8%というモンスタードラマだ。

江口洋介、福山雅治、酒井法子、いしだ壱成、大路恵美、山本耕史の6人きょうだい

『ひとつ屋根の下』は、両親の死後ばらばらに暮らしていた6人きょうだいを長男役の江口洋介が集めて、ふたたび一緒に暮らすというホームドラマ。『東京ラブストーリー』(91年)のような恋愛ドラマが主流だった月9において極めて異色の作品でもあった。

ひとつ屋根の下

 6人きょうだいのキャストもいま見るとすさまじい豪華さで、長男・江口洋介、次男・福山雅治、長女・酒井法子(1人だけ実のきょうだいではない)、三男・いしだ壱成、次女・大路恵美、そして四男・山本耕史である。

『ひとつ屋根の下』をきっかけに6人全員がブレイクしたこともエポックメイキングだった。

 元日本有数のマラソンランナーで、今はクリーニング店経営という長男役の江口洋介が5人のきょうだいを訪ね歩くのだが、5人の中で最も江口と対立するのが、次男で研修医の福山雅治だった。

 体育会系で情に篤い江口とは対照的なキャラクターで、酒井法子に想いを寄せるようになり、しかし酒井は江口に傾き……という“三角関係”もドラマのみどころのひとつだった。