文春オンライン

反面教師にしたい「モテてもヘルプ止まりのホステス」とは

元銀座のクラブホステスが教える出世する人しない人

2018/03/27
note

美人で気立てのよいヘルプが、お客をつかめないのはなぜ? 

 が、銀座にデビューした当初は誰しもヘルプとして入ってきます。では、いつから売り上げのおねえさんになるのか。それは勤続年数でも年齢でもありません。それはお客さまから「これからぼくの担当として、ぼくの売り上げの管理をしてね」と言われたら、なのです。

 夜の世界ですから「惚れたから任せる」ということもすごく多い。でも、それだけじゃない。というか、口説きたいのはヘルプのA子だけど、売り上げを管理する担当は人間的に信頼できるB子というパターンもよくあるんですね。

 銀座って美女だらけ。ですが、常識がなかったり、手クセが悪かったり、虚言癖があったり、とんでもない女の子が半分。悲しいですが、いまだにそういう世界です。で、銀座のお客さまって、夜はお酒を浴びるように飲んで、バカ話で盛り上がってはいても、昼間はまっとうなお仕事をされている方がほとんど。いくら、遊ぶ分にはかわいくて色っぽいホステスでも、自分の担当を任せていいかどうかくらいは、ちゃんと見極めていらっしゃるんですよね。

ADVERTISEMENT

 だって、売り上げを任せた子がお店でトラブルをおこしたりしたら、お客のステイタスに傷がつきますから。

©iStock.com

 そんなこんなで、銀座歴10年以上、30過ぎてもずっとヘルプというホステスが少なからずいます。なかにはちゃんとしているうえに、美人で気立てもよくて、一緒にいて楽しいのに、ぼくの売り上げを任せるよと言ってくれるお客さまをひとりもつかめないというヘルプもいる。

 わたくしの友人にもいますが、彼女って恋愛はいつも向こうに振り回されて、なおかつ不倫。全体的に優柔不断なんですよね。パッと決断ができないということもあるし、とにかく自分を主張しないんですよ。ひとを尊重して立てているのとはまた違って、自分の決断や発言に責任をもたないタイプ。「受け入れる」という観点からすると、我を張るのもよくありませんが、自分の意思を主張して、ミスしたらその責任を受け入れるという覚悟がないのもよろしくないんです。

 受け入れ力の理想形は、自分というものをしっかりもって、そのことに責任をもちつつ、決して他者を非難しない、拒否しないというもの。

 これができるようになると、大きな仕事を任されるようになりますし、男方面でもやり捨てられたり、理不尽な振られ方をしなくなっていく。