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「不正会計問題」の説明責任から逃げ続けて早9年…自民党・小渕優子が記者会見で見せた「涙のナゾ」

2023/09/19
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 しかし本当にそうだろうか。小渕氏の父は小渕恵三元首相である。恵三氏が首相在任中に急死し、その後の「弔い選挙」で優子氏は圧勝した。「地盤・看板・カバン(資金)」が最初から揃っていた。優子氏に何があっても、スキャンダルがあっても、地元では世襲の力で小渕ブランドは盤石なのである。

 だからこそ思う。何があっても「姫」だとか言ってやさしく許してくれる地元ではなく、しがらみのない地元以外の人々の前でちゃんと説明できるのかどうか。それが政治家としての最低限のスキルだろう。地元以外で記者会見をやるべきだ。「記者会見」がNGワードなら「アレ」と呼んでいい。今からアレを期待しています。

©文藝春秋

もう一つの「アレな案件」

 さて、今回の自民党役員人事でアレな案件はまだある。お待たせしました萩生田光一先生です。自民党の政務調査会長に留任です。旧統一教会との関係という問題を抱えながらの留任はさすがです。

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 では、現役信者の声を聞いてみよう。

「我々が助けてきた萩生田氏が要職にいる自民党政権に(教団を)解散しろと言われるのは許せない」(朝日新聞9月14日)

 ああ、矛盾を突かれた……この信者は萩生田氏の選挙で電話かけなどの支援をしてきたという。

 萩生田氏は旧統一教会について今回どう答えているのだろうか。

「今までも機会あるごとに説明を続けてきたと思っている」

 そして、

「現段階で説明不足だという指摘はあたらない」

本当に「説明」してきたのか

 出た! 「指摘はあたらない」という言葉。これは指摘をズバズバ当てられている人がよろめきながら言っているような面白さがある。滑稽さと強気が同居する言葉だ。調べてみると萩生田氏の言う「説明」とは立ちながら記者と短時間やりとりするぶら下がり取材や、報道各社の個別取材のことを指しているらしい。

 しかし真実はこれだ。

《安倍元首相の銃撃事件で問題が表面化して1年余りが過ぎても、萩生田氏は自身と旧統一教会との関係を主題とした記者会見の場を設けたことはない。》(同前)

 これでは小渕氏と同じではないか。なら新役員同士、小渕氏と萩生田氏で「アレ」を明治座でやったらどうでしょう。夢の共演で絶対に盛り上がるはずです。バスツアーで私も観劇、いや記者会見を観に行きたい。

「不正会計問題」の説明責任から逃げ続けて早9年…自民党・小渕優子が記者会見で見せた「涙のナゾ」

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