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「不正会計問題」の説明責任から逃げ続けて早9年…自民党・小渕優子が記者会見で見せた「涙のナゾ」

2023/09/19
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 阪神タイガースの「アレ」でニュースも大盛り上がり。ちなみにアレとは「優勝」のこと。選手に重圧をかけないように岡田監督が言いだした。

 しかし先週は阪神以外の「アレ」も多かった。まず小渕優子氏の涙のアレ。数日経ったが一体アレはなんだったのだろう。

小渕優子氏 ©文藝春秋

《自民党の選対委員長に就任した小渕優子氏が9月13日に、党四役の就任記者会見に臨んだ際、9年前に表面化した自身の関連団体の不明朗な政治資金支出について問われた際、答える中で声を詰まらせ、涙声になった。》(日刊スポーツ9月17日)

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 アレ……?

 なんで小渕氏が涙声? では9年前のアレについておさらいする。

「ドリル優子」の異名が誕生

《2014年10月、小渕氏は、関連政治団体の不適切会計の問題が発覚したことで経済産業相を辞任した。収支報告書への虚偽記載は5年間で総額3億円を超えたが、小渕氏は1年間説明を避け続け、元秘書2人が有罪判決を受けた後の15年10月になって地元の前橋市内で記者会見を開いた。ただ、その場でも不正会計の全容は説明せず、「説明責任を果たしていない」との指摘が出ている。》(読売新聞オンライン9月14日)

 ちなみに東京地検特捜部の家宅捜索前、会計書類を保存したパソコンのハードディスクが電動ドリルで破壊されていたことも判明した。証拠隠滅を図ったのは明らかだった。この時からネットや永田町では「ドリル優子」に改名となった。

 しかし、それだけ注目された犯罪を「秘書」が犯しながら小渕氏は説明を逃げまくった。大事なことだから繰り返すが、事件をめぐって記者会見を開いたのは発覚から1年後。しかも地元の群馬県で1度会見しただけ。

 日刊スポーツの中山知子記者はその時の様子をこう記している。