9月13日に世界同時発売され、大反響を呼んでいるウォルター・アイザックソン著『イーロン・マスク』。マスク氏と親交が深い三木谷浩史氏(楽天グループ会長兼社長)が、彼の知られざる素顔を明かした――。

 

(イーロン・マスク(米電気自動車大手「テスラ」CEO)本人が語り尽くした初の公式伝記『イーロン・マスク』(文藝春秋)。その壮絶な人生を明かした本書は、悩める天才の素顔を赤裸々に描き、発売直後から世界的ベストセラーとなっている。)

自身も既得権益の打破を掲げてきた

 実は、イーロンに「Bunshun」というタイトルで、「One of the most popular magazines - Bunshun- where I used to have a column, wants to interview me about you.」とメールしたんですよ。なので、今日は彼について自由に喋りたいと思います(笑)。

 ちょうど8月17日夜から来日していましたね。彼から「Elon is here」とメールが来たんです。「カラオケでも行く?」と聞いてみたんですが、「もう寝るから行けないや」と。確か幕張のソニックマニア(音楽イベント)に足を運んで、恋人(歌手のグライムスさん)のステージを観に行ったんじゃないかな。その後、京都観光にも行っていたはずで、東京に戻ってきたタイミングでもやりとりがあったんですが残念ながら会えなかった。最後は「Maybe, next time」とメールしておきました。

 2人の出会いは今から10年ほど前。テスラは、後に世界を席捲する電気自動車「モデルS」を発売したばかりだった。

🄫時事通信社

普段のイーロンは「本当にシャイ」

 プライベートファンドをしていたアメリカの友人に「俺のパートナーだ」と紹介されたのが、イーロンでした。確か、太陽光エネルギーがもたらす未来なんかを熱心に語っていた。ずいぶん壮大な構想を話していて、面白そうな兄ちゃんだなと。もっと話してみたいと思って、あの頃、シリコンバレーの自宅で毎年やっていたBBQパーティに誘うようになりました。普段の彼は本当にシャイで、社交的とは正反対。でも、なんかウマが合ったんです。

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 しばらく経って、香港にいた彼のアシスタントから「イーロンが東京でカラオケをやりたいと言っているけど、案内してくれる?」と連絡をもらいました。僕も「いいよ、行こう」って。そんな軽いノリで東京に来て、一緒にカラオケに行きました。でもイーロンは大して歌わず、僕のほうが歌っていたかな(笑)。お酒も結構飲んだ。2人ともすぐ顔が赤くなるタイプ。他愛のない話で盛り上がったけど、少しだけビジネスの話もしましたね。