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犬だって腸内環境が整っていたほうがいい…愛犬の健康寿命を延ばすために「えさやり」と「散歩」で知っておくべきこと

source : 提携メディア

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また、前掲の論文において、「ドライフードのみ」「ドライフードと手作り食」「手作り食のみ」の3つの食事のとり方でどのケースが長寿だったかを比較しています。

長寿群では手作り食率が高く、「食事による手作り調理を与えた」ほうが、明らかに長寿だったという調査結果があります。

これはもっともな結果です。種類にもよりますが、ドライフードの多くには、とうもろこしなどの穀物が多く入っています。

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こういった乾燥した穀物を腸に入れ続けるより、水分を多く含む肉や野菜などの手作り食をとったほうが、腸内環境にいいのは明らかです。

腸内環境がよくなれば、免疫にもいい影響を与え、健康寿命の延長にもつながると考えられるのです。

散歩の目的は運動ではない

散歩=犬の運動ではない、といったら驚かれるでしょうか。

多くの飼い主さんは、犬の運動として、犬のストレス解消として、あるいは排泄させるために散歩を日課にしているかもしれません。

犬という動物は「何かしたい」という欲求のかたまりです。

人間と同じように、犬にも欲求階層があり、もっとも重要なのは「生命の安全」や「飲食」であることはいうまでもありません。

ただその階層の上位、つまり優先順位が低いものには、「運動」「探査活動」「なわばり活動」があります。

「3つの欲求」を満たすことが散歩の役割

実はこの「運動」「探査活動」「なわばり活動」の3つの欲求を満たすことが散歩の役割だ、という説があります。

散歩に行くとあちこちのにおいを嗅ぎますが、これがもっともわかりやすい「探査活動」です。

そして「運動」とは、たんなる散歩ではなく、ボールを投げてそれを走って取りに行くなど、もっと大きな体の動きを指します。

都会ではなかなか難しい面もありますが、週末にドッグランに行くなど、あえて体を動かすことをさせてあげないと、犬の本当の欲求は満たせないのです。

散歩は犬の腸内環境に好影響

もちろん散歩がまったく運動にならない、という意味ではありませんが、むしろ散歩とは飼い主さんとの絆を深める意味合いのほうが大きいと私は思っています。