InstagramやTikTok上で、犬が音声ボタンを駆使し「会話」する動画が人気を博している。

 2019年、コミュニケーションに障害のある子どもたちを教えてきた米国人言語聴覚士・クリスティーナ・ハンガー氏が発案し、爆発的に広まったペット用の音声ボタン。90語以上を操る犬のバニーの動画などは、日本語圏でもたびたびバズっている。

 そんな中、日本語でも音声ボタンを使う犬たちが登場。70語を操り、日本語圏で抜群の知名度を誇る「しゃべる犬」モネちゃんの飼い主さんに、ボタンとの出会いや、ボタンを導入したことで起きた変化、動画に対する反響などについて聞いた。

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「しゃべる犬」モネちゃん(飼い主さん提供)

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愛犬がはじめて「しゃべった」言葉は

ーーボタンを導入したきっかけを教えてください。

モネちゃんの飼い主(以下、モネ母) 英語圏の、バニーちゃんという音声ボタンで有名なワンちゃんのInstagramを見つけたことです。バニーちゃんの動画を繰り返し見ながら、うちのモネも「ごはん」、「お散歩」とか言えるようになったらいいな、とワクワクしながらボタンを注文しました。ボタンを設置したのは、2021年7月、モネが生後8ヶ月の頃です。

ーーそこからどうやって教えたのでしょうか。

モネ母 「モデリング」と言って、人間がボタンの使い方を実演するやり方で教えました。たとえば、「遊ぼう」って言いながら「遊ぼう」のボタンを押して、それから遊んであげるとか。

 最初は「遊ぼう」「ごはん」「お水」という、モネもすでに知っていて、よく使う単語をボタンに吹き込んで設置しました。

ーー手応えを感じ始めたのはいつですか。

モネ母 設置してから1週間後、私が「お水」のボタンを押したときに、5秒くらい「うーん」と考えて、トコトコ歩いてお水を飲みに行ったんです。これはちょっと分かってるな、と。

 その後、設置してから40日後、自分から「遊ぼう」って押してきてくれました。嬉しかったのですぐ遊んであげて、しばらくして疲れたので休憩していたら、またボタンのところまで行って「遊ぼう」と。

ボタンを押すモネちゃん(飼い主さん提供)

 まだ遊びたかったんだなという気持ちが伝わってきて、もちろんまた遊んであげました。

ーーそこからどのようにボタンの数を増やしたのでしょう。

モネ母 次に、「お散歩」「後で」「引っ張りっこ」の3つを足しました。「引っ張りっこ」を足したら、「遊ぼう」と使い分けてくれるようになったので、モネのやりたい遊びが明確にわかるようになりました。