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児童ポルノサイトにわが子の写真が…インスタに160万件ある「#運動会」動画が危険な理由 「なんでいけないんですか」と怒る親も

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genre : ライフ, 社会

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児童ポルノサイトに子どもの写真が転載されていた

一方で、同アンケートでは「あなたやあなたの周りで、お子さんの写真をSNSに投稿してトラブルになったことはありますか?」という質問に対しては、約4割が「ある」と回答した。内容は「知人のお子さんも写っており、苦情を受けた」(36%)、「個人情報を特定された」(30%)、「写真を無断使用された」(16%)などとなっている。

子どもの写真をSNSに投稿することはさまざまなリスクをはらんでいる。具体的には、上記のアンケートにもある通り個人情報が流出すること、それによって子どもの身に危険が及ぶこと、投稿された写真が悪用されてデジタルタトゥーとなってしまうこと、さらには子ども自身の同意を得ていないために将来親子の関係にヒビが入ることなどが考えられるだろう。

実際に、わが子の裸やおむつ交換の様子など露出の多い写真をSNSにあげていたら、それが児童ポルノサイトに転載されていたという例を耳にしたことがある。偶然見つけた人から教えてもらい、通報して削除したものの、「どこかに残っているかもしれない」と怖い気持ちが消えないそうだ。

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また、あるブロガーが子どもの写真をネット上に投稿していたところ、保育園の入り口で読者に待ち伏せされ、「○○くんだよね」と声をかけられたという。このときは犯罪にはつながっていないが、見る側の意志ひとつでいくらでも悪用できてしまうことがわかるだろう。

海外では、オーストリアの10代の少女が写真の投稿をめぐって両親を訴えた事例もある。おむつ交換やトイレトレーニング写真などが500枚以上Facebookに上げられており、両親に削除を求めても応じないため、訴える羽目になってしまったのだ。幼い頃の恥ずかしい写真が誰でも見られる状態で投稿されていたら不快に思うのは当然だろう。

「今日運動会がありました」は特定につながりやすい

保護者がSNSに子どもの写真を投稿すること自体は否定しない。しかし、自己承認欲求を満たすためや収入につなげるために利用することは許されるべきではないし、そうでなくとも子どもにリスクが及ばないように注意して投稿する必要がある。

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