「天気予報をするうえで、一番大切なことはなんですか?」

 平日夕方の番組で気象キャスターをしている田中美都です。まずは少しだけ、私の仕事の話をさせてください。気象予報士の仕事をしていると、上のような質問を、いろいろな方からよく聞かれるんです。いまパッと思い浮かんだだけでも、「天気予報がきちんと当たるかどうか」「わかりやすく解説できているか」「見やすい画面を作成できているか」など、たくさんの答えが思い浮かびます。どれもとても大切なんですが、私はいつもこの質問に、「今起きていることをきちんと把握できているか」と答えています。

 どういうことかというと、天気予報でよく見る雨雲の予想などは、スーパーコンピューターが導き出しています。ただ、スーパーコンピューターの予想は、万能ではありません。局地的な豪雨など、うまく表現できない現象がいくつもあるので、「今、本当にこの現象起きてる?」と「実況把握」することが、より精度の高い予報を出す上ではとても大切な作業になります。

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 ただ、ファイターズファンとしては、今シーズンの振り返り、つまり「実況把握」はとっても悔しい内容になりました。2年連続の6位。選手達の素晴らしいプレーもたくさんありましたが、やっぱり「試合」なので勝ちたい!

「勝ちたいよ~勝ちたいよ~」と周りにボヤいてばっかりの私でしたが、今シーズンをしっかりと振り返って、「今年こそ優勝!」とまた意気込んで来年の春を迎えたいんです。

ファイターズのサヨナラ負けは12回

 試合を見ていて感じたことは、他球団に比べてサヨナラ負けが多かったなぁと。今シーズンの現地観戦でもそう感じました。関東在住の私は、ビジター観戦がほとんどなので、北海道に住んでいるファンの皆さんよりはサヨナラ負けする確率が高くなります。とはいえ、見に行った7試合のうち、2試合がサヨナラ負けだったんです。ぐぬぬ。

 特に忘れられないのは、5月28日の楽天戦。私は4年ぶりの仙台ということもあり、足取りも心もルンルンでした。試合も序盤に万波選手がホームランを打ち、なんだかいい流れ。初夏の仙台って気持ちがいいし、久しぶりの声出し応援やっぱり最高だな~なんて考える余裕すらありました。

 ただ、雲行きが怪しくなってきたのが5回以降、出塁できない状況が続きます。文字通り、本当に雲行きも怪しくなって、雨もぽつぽつ降り始めてきました。そして雨が降る9回に追いつかれ、延長12回。ロドリゲス選手がマウンドに立ちましたが、なんだか表情が暗い? ちょっとまずいな……と思った矢先、1死二、三塁で岡島選手にサヨナラタイムリーヒットを打たれました。

 今となれば、まぁそんな日もあるよね、と思い出の1つになりますが、観戦中は「この試合こそ私の全て」という気持ちで応援してしまうので(気合入りすぎな観戦スタイルを変えたいです。)、傘をさすのも忘れ、仙台駅まで雨に濡れながらとぼとぼ歩いて帰りました。

 実際にパ・リーグ各球団の今年の成績を調べてみると、ファイターズのサヨナラ負けは12回。他球団のサヨナラ負けは最大でもライオンズの8回で、ホークスとイーグルスは6回。バファローズとマリーンズは5回となっていました。やっぱりファイターズのサヨナラ負けはデータで見ても多かったみたいです。