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《増税メガネ》繰り返し中傷され続ける岸田政権と、民主主義に介入する中華TikTokの“懸念と脅威”

岸田文雄さんが実施した増税などひとつもないのに…

2023/10/06
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岸田政権はネット対策にあまり関心がない?

 それもこれも、岸田政権はネット対策にあまり関心がなさそうだというのが理由とも言えます。リアル政治の事情として、旧統一教会対策や広島サミットなどを優先したことで、メディア対応やプラットフォーム事業者規制が後手に回ってしまい、いまになってネットで大量に中傷されて明らかに支持率が伸び悩む状態になっておるわけです。

2007年、福田内閣に入閣。当時50歳、まだメガネをかけていない ©文藝春秋

 逆に、ネットや在阪マスコミを駆使してテーマ性を駆使し支持を伸ばしてきているのは日本維新の会で、いくつかのシミュレーションでは「維新の会が候補者を出すことで割りを喰うのは反自民で競合する立憲など野党」ではなく「本来の自民党支持者が岸田不支持で維新に投票されてしまう都市部自民党」という話になります。前回の統一地方選ではかなり自民党が負けた東京各選挙区の調査では、前回自民党現職候補と野党統一候補の一騎討ちだった選挙区に維新候補者が闖入すると、見事に自民票が維新に喰われて自民維新共倒れで立憲候補勝利になってしまうと見られる選挙区が出てきています。

 国民からそこまで広く支持されているわけでもない立憲民主党が、反自民と経済難のあやで議席を都市部で確保する傾向が強まるのは、かつて各選挙区に共産党テンプレ候補が多数出馬した結果、左派票が割れて勝てるはずの立憲候補が苦戦してきた構造と同じです。その構造と同じか、立憲における共産より強烈な奴が「勝てないけど出てくる維新候補者」に保守票を取られて苦戦する都市部自民党候補という話でもあります。

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 最近は維新も不祥事を報じられる議員を国政でも地方でもたくさん出してしまって統制が効いておらず、余計な事件をたくさんやらかしてゆっくりと勢いを失ってきている面はありますが、自民党にとっても公明党にとっても保守票や支持政党のない有権者の票を喰う維新は脅威であることには変わりありません。

 で、選挙前だからいろいろ調べ物していて気になることがありまして、やっぱり日本維新の会が躍進するのは仕方ないとして、で、どんぐらい議席取んのよという話なんですよ。