「週刊文春」が入手した4枚の写真。トレードマークの赤いネクタイを締めた男性が傍らの女性の首に手を回し、満面の笑みを浮かべながらピースサインで収まっている。テーブルの下では互いの手が重なり合い、仲睦まじい様子だ。そして、互いに頬を寄せ合うほどまでに密着すると――。

埼玉の「虐待禁止条例」に批判が噴出

 自民党の埼玉県議団が提出し、10月6日に埼玉県議会の委員会で可決された「虐待禁止条例」の一部改正案が全国的に物議を醸した。その内容は、成人の「養護者」が小学3年生以下の子どもを放置することを禁じ、小学4~6年生については努力義務とするものだ。想定する禁止事項として「短時間でも子どもに留守番をさせる」「子ども同士で公園で遊ばせる」「子どもだけ家に残し、ごみ捨てに行く」などを列挙。子どもを自宅や車に放置すると「虐待」とみなされ、罰則こそないものの県民にも通報を義務づけていた。

 だが、「共働きの家庭にとっては現実的でない」などの批判が噴出。その結果、13日に本会議で採決が行われ可決される見通しだったところから一転、「説明不足」だったとして10日に改正案を取り下げる事態に追い込まれた。

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条例撤回について会見する田村氏 ©時事通信社

 今回の条例改正を主導していたのが、県議団の団長を務める田村琢実県議(51)だ。1971年生まれの田村氏は埼玉県内の高校を卒業後、放送大学に進学。故・中山太郎衆議院議員の秘書として政治の世界に飛び込んだ。2003年、埼玉県議会選に挑戦するも落選。再挑戦となった2007年の県議会選で20,702票を獲得し、初当選を果たす。2019年の選挙で4期目の当選後、2020年には埼玉県議会議長に就任した。