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久保建英が「キツい」と本音を吐露…城彰二が語る、6連勝の森保ジャパンが抱える“深刻な問題”「もう少し余裕をもって戦ってほしい」

2023/10/20
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――海外では動きが悪いと、すぐに交代させられますね。

 欧州のクラブは、代表に行って戻って来てもポジションが確保されているわけではなく、常に勝負というか、戦いにさらされている。だから欧州でプレーする選手は、できるだけコンディションを崩したくないというのが本音だと思うんです。久保は今、リーグ戦で調子がいいし、ソシエダで自分の地位を高めつつあるので、そう言いたくなる気持ちはよく分かります。自分たちが代表の時は、言いたくても言えなかったですからね。

選手の負担を軽減するには…

――何か解決策はありますか。

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 今の代表メンバーは、28歳から30歳ぐらいが中心です。W杯は2年後なので、多くが30歳以上になり、そうなると移動による疲労などで怪我や体調不良のリスクも高まるでしょう。そういうのを回避し、常にベストなパフォーマンスを発揮してもらうためには、例えばW杯2次予選とかは、国内組中心で戦ってもいいと思います。新しい選手を見つけてチームの底上げをし、選手の疲労を溜めず、チームをマンネリ化させないためにもそれが理想だと思います。ただ、森保さんは、そうはしないと思いますけどね。

――それはなぜですか。

 チームの軸を崩したくないのもあるでしょうし、スポンサーやファンのために、いつも最強の日本代表を見せるべきだと考えているんじゃないでしょうか。森保さんは海外でプレーした経験がなく、移動の大変さを味わったことがないので、イメージできないと思うんです。でも、名波さんとか海外経験のある人がコーチに入っているので、選手の負担を軽減するような新しい提案をしてくれるといいなと思いますね。

カタールW杯後、日本代表のコーチに就任した名波浩氏 ©文藝春秋

W杯予選は不安なし、見据えるべきは「本大会」

――11月から北中米W杯アジア2次予選がスタートします。次回は、参加国が48カ国に増え、アジア枠は4.5から8.5に増えました。

 W杯予選について、不安は一切ないですね。枠が広がったのもありますが、そもそも日本のレベルはアジアでは抜きん出ています。どの国も引いて守ってくると思いますが、1点取ってしまえば一気に崩れていくでしょう。アジアの他国とは力の差があるので、普通にトップで突破できる。海外組がこれだけ増えている中でそれができないなら、W杯ベスト8には到底届かないですし、あきらめた方がいい。

――日本のレベルがアジアでは頭1つ抜けている感じでしょうか。

 日本は、カタールW杯以降、確実にレベルが上がりました。今までは、まずはW杯予選をしっかり勝ち抜くことを考えていたけど、今は欧州の強豪国と同じくW杯本大会で結果を出すことを考えていかないといけない。だから、予選は毎回、海外組の主力を全員招集して戦うことはしなくてもいいと思います。いくら日本のためとはいえ、移動は本当に大変なので、国内での試合は国内組にチャンスを与えて、Jリーグの盛り上がりに繋げていってほしいですね。

――森保ジャパンは今年6月から6戦6勝。カタールW杯以降、日本代表は強くなったと思いますか。

 強いですね。カタールW杯の頃よりも攻守に上積みができていると思いますし、森保さん続投がいい方向に活きていると思います。だからこそ森保さんには、これからもう少し余裕をもって戦ってほしいなと思います。

©JMPA

取材・文=佐藤俊

久保建英が「キツい」と本音を吐露…城彰二が語る、6連勝の森保ジャパンが抱える“深刻な問題”「もう少し余裕をもって戦ってほしい」

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