サッカー日本代表は今月13日にカナダ代表、17日にチュニジア代表と対戦し、それぞれ4-1、2-0で勝利を収めた。元日本代表FWで、現在はサッカー解説者として活躍する城彰二氏は2つの試合をどう見たのか。話を聞いた。
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「森保さんは、またひとつオプションを得た」
――親善試合のカナダ戦とチュニジア戦、選手起用や采配から判断して、森保一監督はどういう狙いを持ってゲームをしていたと思いますか。
城彰二(以下、城) 9月の欧州遠征でドイツ、トルコと戦ったチームのベースを崩さずに、今回は鎌田(大地)や三笘(薫)、堂安(律)が抜けた分、南野(拓実)や中村(敬斗)らをスタメンに起用してチームにフィットさせつつ、勝利を狙ったんじゃないかなと思います。
――中村はカナダ戦でもゴールして、見事に期待に応えました。
城 中村は、三笘と違ってドリブルで突破していくタイプの選手ではなく、周囲をうまく使いながら連携で崩すタイプ。ゴール前でのポジション取りがいいですね。カナダ戦のゴールのようにシュートも冷静だし、技術もある。周囲とのコンビネーションという部分では、三笘よりもいいんじゃないかな。
――トップ下の南野選手との絡みもよかったです。
城 トップ下の南野とは、たぶん練習の段階からこのタイミングでこう動いてくれるとか、お互いの感覚が合うのを実感していたんじゃないかな。やっぱり「この選手、動くタイミングが違うな」って思うこともあるんです。そういう意味では相性が良かったし、この2人を起用すると、どういうプレーが可能になるのか。森保さんは、またひとつオプションを得たと思います。
――カタールW杯以来、久しぶりに招集された南野選手はどうでしたか。
城 最近、所属クラブのモナコで結果を出しているし、コンディションもだいぶ良くなったと思います。南野にとってみれば、しばらく代表に呼ばれなかったですし、来月からはW杯予選が始まるので、今回がラストチャンスぐらいに思っていたと思います。
プレーに関しては、カナダ戦は良かったけど、2試合通じて決定機を決められなかった。チュニジア戦で得点に絡んだ久保(建英)、旗手(怜央)を始め、攻撃陣はみんな調子がいいし、鎌田や三笘もいる。南野はまだ絶対的な存在ではないので、これからもクラブで結果を残していかないといけないですね。