昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

“ライト読売”と“レフト毎日”の1面トップ見出し「まさかの合致」が意味するもの

そして産経は「書き換え」から「改鼠」に言葉を変えた

2018/03/23

安倍首相は「江夏の21球」状態ではないか

 私は江夏豊を思い出した。

 昨年12月に日本経済新聞「私の履歴書」に江夏豊が登場し、あの「江夏の21球」について振り返っていた。

 日本シリーズ(79年)で無死満塁という大ピンチをつくってしまった投手・江夏(当時広島)の心理描写が生々しかったのだ(2017年12月26日付)。

《絶体絶命のなか、怒りで我を失うようなことが起きた。広島のベンチが、ブルペンに池谷公二郎と北別府学を走らせたのだ。この期に及んで、俺以外に誰が投げるというのか。ぶち切れそうになった。》

 今まで自分に絶対の信頼を寄せてきたベンチがあわてて「江夏交代」の準備をしていた。その様子をマウンド上で目にしてしまった。

江夏豊 ©文藝春秋

 17日の読売記事を読んだ安倍首相もあのときの江夏と同じ心境ではなかったか? 今まで自分に信頼を寄せていた新聞が急にそわそわしてきた。慌ただしくなってきた「ブルペン」の動きを目にしてしまった。

《その心をつなぎとめてくれたのはマウンドに寄ってきた衣笠祥雄の一言だった。「おまえがやめるんなら、おれも一緒にやめるから」。/ここで誰かにマウンドを譲る以上の屈辱はない。なんなら、今ここでユニホームを脱いでやる、という気持ちを衣笠はわかってくれていた。それに自分は救われた。》(同)

 ここでいう衣笠祥雄とは安倍首相にとって麻生太郎だろうか。ただ、太郎は口がよくすべる。こっちの衣笠は危なっかしい。